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公式戦無敗続ける阪南大高、好勝負となったプリンス関西1位・2位対決制して全国へ前進!

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後半31分、阪南大高FW篠畑純也が決勝ゴール

[5.26 インターハイ大阪府予選決勝L第1節 東海大大阪仰星高 0-1 阪南大高 J-GREEN堺]

 プリンスリーグ関西の1位2位対決は首位・阪南大高に軍配! 令和元年度全国高校総体(インターハイ)「感動は無限大 南部九州総体2019」サッカー競技(沖縄)への出場2枠を懸けた大阪府予選は26日、4校による決勝リーグが開幕。現在、プリンスリーグ関西で首位の阪南大高と同2位の東海大大阪仰星高との一戦は、FW篠畑純也(3年)の決勝点によって阪南大高が1-0で勝った。決勝リーグは6月1日と同2日に第2節と第3節がそれぞれ行われ、上位2チームが全国大会への出場権を獲得する。

「前半は相手のリズムにハマっていた」。阪南大高の濱田豪監督はそう振り返る。この日は中盤で弾くことのできる選手として、怪我から復帰したばかりのMF柳武輝(2年)を先発起用。だが、「自分たちの良さでもあるのでアグレッシブに自分たちの良さを出していこうと思っていました」(MF美藤倫主将、3年)という東海大仰星に中盤の運動量、弾く部分で劣るなど押し込まれ、相手にCKを与える回数も増えてしまう。

 それでも、阪南大高はGK中本汐音(3年)が前半終了間際に美藤の左足シュートをワンハンドでストップするなど好セーブを連発し、得点を許さない。互いに、際の部分で一歩が出る好ファイト。後半は攻勢を強めた阪南大高がサイド攻撃でチャンスを増やし、右サイドを抜け出すMF田井光(2年)から決定的なラストパスが入っていた。

 だが、東海大仰星はCB瀬戸山翔(3年)とCB高橋情(3年)の両DFをはじめとしたDF陣が最後までボールホルダーに身体を寄せ、ゴール前でも必ず相手の前に入ってボールを弾くなど得点を許さない。逆に後半12分にはPAでのコンビネーションからMF村上陽斗(2年)が、直後には好キックを連発していたMF増澤岳流(3年)の右CKから美藤がそれぞれ決定機を迎える。だが、阪南大高はGK中本がいずれも至近距離からのシュートをビッグセーブで弾き出す。

 守護神の好守に支えられた阪南大高は、攻撃のカードを次々と切ってシュート数を増やそうとする。篠畑や交代出場のFW清水健生(2年)、左SB小西宏登(2年)が前向きにボールを持って縦への迫力ある攻撃。そして、試合終了4分前の後半31分、阪南大高は中盤で前を向いた篠畑がドリブルから右足を振り抜く。ミドルレンジから放たれた一撃がゴール右上に突き刺さり、阪南大高がスコアを動かした。

 運動量がやや低下した終盤に失点した東海大仰星も諦めずに反撃するが、阪南大高は「打たれる前に突っ込んだろかなと思って。足攣っていたので足ではいけないと思って、頭で行ったろうかなと」と微笑むCB高木践主将(3年)がルーズボールに頭から飛び込んでクリアするなど気迫の守りを見せる。後半アディショナルタイムには東海大仰星が右CKを繋ぎ、最後は瀬戸山が決定的なヘッド。だが、集中した守りを続ける阪南大高はここでもMF柳がゴールライン上でクリアして、無失点で勝ち切った。

 阪南大高は現2年生が昨年末の全国ルーキーリーグ交流大会で大津高や流通経済大柏高を破って堂々の優勝。同大会MVPのMF河上愛斗(2年)らが、先発メンバーに食い込むなど激しい選手間競争を繰り広げている。濱田監督は「今年は、11人固定は絶対にしないと決めています」。コーチ陣から推薦のあった選手をどんどん登用してチームを活性化。選手たちがその中で結果を出し合い、公式戦無敗を続けている。

 この日も苦しい試合展開だったが、昨秋の選手権予選でも敗れていた難敵に勝利。高木は「ボクの代で勝って相性とか関係ないぞと見せたかったので勝てて良かったです」と微笑み、濱田監督も内容こそ満足していなかったものの、「結果は自信になる試合になったと思う」と評価していた。

 チームにとっては全国出場へ向けて大きな1勝。だが、まだ優勝を決めた訳でも、全国出場を決めた訳でもない。それだけに、中本は「きょう勝ったのでちょっと緩くなる部分もあるかもしれないけれども引き締めて、(プリンスリーグから)無敗なのでこのまま無敗で優勝できるように頑張りたいです」。昨年、一昨年とプレミアリーグを戦う中で揉まれ、自力を高めてきた。今年はプリンスリーグでの戦いになっているが、トップリーグで身につけてきた力や選手層の厚さを示している阪南大高が大阪の戦いを制し、全国で勝負する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2019

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