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“高知の生命線”ダブルボランチが奮闘、MF吉尾「大会通して、一選手として強くなった」

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高知高MF吉尾慎太郎は中盤で存在感を放ち、決勝点にも絡んだ

[5.27 インターハイ高知県予選決勝 高知高 1-0 高知中央高 春野運動公園球技場]

 高知高のダブルボランチ、MF小黒大翔(3年)とMF吉尾慎太郎(3年)はチームの“生命線”とも言える存在だ。大型で跳ね返す力と展開力もある小黒は、昨年度の選手権予選でも目立っていた選手で、吉尾は相手を見て判断する力やスルーパスやプレースキックの精度に自信を持っているレフティー。彼らの存在が拮抗した試合で高知に主導権をもたらしていた。

 高橋秀治監督は大会を通して選手たちが強くなったことを実感していた。今大会はけが人が多く、特に小黒と吉尾は大会直前に3週間も練習に加わることができなかったというほど。今大会は試合に出場することこそできていたが、チームの代表選手、主軸としてピッチで戦うことへの覚悟がやや欠けていた部分もあったようだ。

 それでも、この決勝では2人を含めた各選手が責任感を持ってプレー。小黒は痛みから逃げることなく、後半21分まで攻守に奮闘した。そして、中盤で存在感を放っていた吉尾は試合終盤に負傷している左足首をおさえて倒れ込むシーンも。だが、「ちょっと痛かったんですけれども、最後の県(総)体なのでチームのために」という吉尾はピッチに立ち続け、後半アディショナルタイムには彼の左足CKのこぼれから決勝点が生まれた。

 吉尾は「大会通して、一選手として強くなったというところは自分でもあったと思います」と実感していた。「自分、(怪我の影響で)足攣ったりするのも多かったんですけれども、他のスタッフのケアとかもあったので、チームのために我慢したり、色々な面で強くなったと思います」。本人も認めるように、ベストコンディションではなかったが、それでも人間的に成長する大会になったようだ。

 今後はよりコンディションを向上させ、試合で違いを発揮することに集中する。吉尾はインターハイへ向けて「ダブルボランチは生命線だなと自分でも思っているので大事にしています。(インターハイは)色々なスカウトが見に来ていると思うので、この決勝で思うように行かなかった部分は練習でしっかりと調整して、必ずチームがてっぺん取れるように自分が優位にプレーしたいと思います」と誓っていた。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2019

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