beacon

「絶対に負けたくない」「良いところは盗んでいけるように」。浦和東注目のCBコンビは相棒とともに成長して全国へ

このエントリーをはてなブックマークに追加

浦和東高の2本柱、CB安食龍成(左とCB松本ケンチザンガ

 5年ぶりのインターハイ出場を狙う浦和東高の2本柱だ。CB安食龍成(3年)とCB松本ケンチザンガ(3年)は、関東大会予選準優勝に大きく貢献したDFコンビ。昨年、ボランチのレギュラーを務めていた安食はポジショニングの良さと空中戦の強さが光るDFで、松本は186cmの高さと柔らかいボールキープにも注目の大型CBだ。

 平尾信之監督は「このチームの立ち上げのときから『オマエらがしっかりしないと』という話をしてきました」と説明する。ともに本職はボランチで、松本は転向後にボランチでプレーできないのか指揮官に確認をしに来たこともあったという。だが現在、彼らは中心選手としての自覚を持ってピッチの上で持ち味を発揮し、堅守・浦和東の中心になっている。

 安食は「自分たちがやらないとチームもついて来ないと思いますし、自分たちがそういう気持ちでやるからチームももっと向上していくと思うので、絶対に自分たちが一番でやることは忘れないでいきたいです」と引き締める。

 チームにとって欠かせない2人。試合ではそれぞれが強みを発揮しながら、パートナーを良くカバーしている印象だが、相棒についてどのような印象を持っているのか。安食は松本について「私生活とサッカーの切り替えが凄いと思います。私生活は結構フザケていることが多いんですけれども、サッカーになるとみんなに指示を出してくれている。たまにドリブルで上がっていくんですけれども獲られなかったり、最後までやりきったりするところは凄いと思う。ヘディングの高さや体勢が悪くても勝ってくれるので凄いと思います」と賛辞を並べつつ、互いのダメなところを言い合える存在あることを感謝していた。

 一方の松本は安食について「ビルドアップの時とかに対角蹴ったり、縦パス入れたり、そういうところとか、ゴールキックとかのヘディングとかもほとんど負けないですし、チーム全員誰にでも指摘できたり、ゲームキャプテンとしてさすがだなと思います」。そして自分のミスした時に助けてもらっていることが多いことも説明していた。

 現在は、圧倒的な高さを持つ松本がより注目される存在になっているが、安食は「絶対に負けたくないし、チーム内の競争も忘れないようにしたい」と力を込める。また、松本は「自分からすると安食の方が細かいプレーとか、繊細なところが凄いなと思うところがあるので、良いところは盗んでいけるようにしたいです」と今後も参考にしていくことを口にしていた。

 浦和東はインターハイ予選で3回戦から登場。有力校が逆ブロックに集まる組み合わせとなったが、油断は全くない。松本は「関東で2位に終わって、先生にはずっとチャレンジャーということを言われていたんですけれども、2位になったからチャレンジャーでなくなるとかではなく、インターハイも毎試合毎試合戦ってしっかりと勝って、次は1位取って良い形で選手権に向かっていけたらいいと思っています」と誓い、安食は「1試合1試合全力で。絶対に負けたくないので、1回戦目から全力で戦って、浦和東らしいサッカーができるようにして全国に出たいです。関東は出れたけれど2位だったので、1位にこだわって全国に出たいと思っています」と力を込めた。

 
 それぞれ、メンタル面の波や判断の悪さという課題があることも確か。だが、相棒の課題も理解しながら戦う2人が、インターハイ予選ではより助け合いながらチームの守りを支え、関東大会予選で逃した「あと1勝」と全国切符を掴み取る。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2019

TOP