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今年、チュニジア遠征で学んだ大阪桐蔭は前を意識した攻撃も決勝L黒星発進:大阪

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試合開始直後、大阪桐蔭高FW道脇走瑠の左足シュートが枠を捉えた

[5.26 インターハイ大阪府予選決勝L第1節 大阪桐蔭高 0-2 関西大一高 J-GREEN堺]

 4年ぶりの全国出場を狙う大阪桐蔭高のインターハイ大阪府予選決勝リーグは、黒星スタートとなった。開始直後にFW道脇走瑠(3年)が強烈なオープニングシュートを枠内に見舞い、その後も縦への速さを意識した攻撃。MF才木陽太(3年)とMF北本友希(3年)の両翼の仕掛けや道脇の抜け出しからゴール前のシーンを作り出した。

 だが、前半終了間際に連係ミスから痛恨の失点。ゲーム主将のCB永野将大(3年)が「残り5分のところでDFラインで力が抜けたり、集中力や注意力が切れてしまっての失点。あれは自分たちで防げた失点だった」と悔やんだ失点でリズムを崩した大阪桐蔭は後半開始直後にもPKを献上し、突き放されてしまう。

 後半22分には左SB武田晴人(3年)が左足FKを直接狙い、直後には左CKのこぼれに永野が反応する。だが、いずれも決めることができず。1年生MF馬場啓太朗らを投入して流れを引き寄せようとした大阪桐蔭だったが、集中して守る関西大一高ゴールを最後まで破ることができなかった。

 昨年にイタリア遠征を行っている大阪桐蔭は今年、2年生がチュニジア遠征を実施。同国屈指の強豪・サヘルのアカデミーチームと対戦し、0-1だった。スコアこそ僅差。だが試合後、永野悦次郎監督は旧知の間柄で、サヘルトップチームの指揮を執るロジェ・ルメール監督やクロード・デュソー氏(元INF)から「もっと前を意識すること」を指摘された。攻めるチャンスを見逃し、リスクを回避しての横パスやバックパスばかりに。よりゴールを目指して攻撃的に仕掛けること、スピードを上げること、スプリントを上げることを求められた。

 続く試合は大敗したものの、選手たちは指摘された部分にチャレンジ。内容面を評価されて帰国した大阪桐蔭は、この日も道脇が反転から素早くシュートを放つなど前への姿勢を表現していた。だが、0-2で敗戦。指揮官は選手たちの「基本的にマジメな子たち」の姿勢を認めているものの、個々の力を重ね合わせてチームとして力を発揮する部分がまだ足りないことを指摘していた。

 全国出場枠の上位2チームに食い込むためには、残り2試合を連勝することが求められる。CB永野は「(この結果を)謙虚に受け止めて、自分たちはベスト4に残っている仰星さんや阪南さん、関一さんの中で一番弱いということで、自分たちの力をまず理解して、次の阪南戦では自分たちはチャレンジャーとして臨みたい。(この一週間は)ピッチの状態や雰囲気、実際の試合を想像しながら、最後のパスやシュートの質、守備では粘り強い守備を心がけていきたい」。前への意識に精度を加えること。そして、勝つために取り組み、“4番目”から逆転する。

(取材・文 吉田太郎)
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