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[関東]筑波大“三笘不在”は言い訳に出来ない!“オビ不在”流経大は6連敗…唯一の未勝利最下位に

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山原怜音のスーパーミドルで試合が決着した

[5.29 関東大学L1部第7節 筑波大1-0流通経済大 柏の葉]

 関東大学サッカー1部の第7節が29日に行われ、筑波大流通経済大を1-0で下した。筑波大は首位明治大と勝ち点1差の2位をキープ。流経大は6連敗。今節は早稲田大が勝利したことで、開幕から唯一の未勝利チームとなってしまった。

 筑波大にとっては“リベンジマッチ”になっていた。4月に行われた天皇杯茨城県予選の茨城県サッカー選手権大会で、両チームは準決勝で激突。3-3から突入したPK戦の末に敗れていた。昨年度も同大会では流経大のセカンドチームにあたるドラゴンズ龍ヶ崎に敗れていた筑波大。選手たちはリーグ戦では負けられないという強い気持ちを持って臨んでいた。

 三笘不在。筑波大はエースのFW三笘薫(4年=川崎F U-18)がトゥーロン国際大会に出場するU-22日本代表に選出されたため不在。だが大黒柱の不在を言い訳には出来ないと、今週の練習では“三笘の不在を複数人でカバーする”という共通理解を徹底。三笘が抜ける左MFのポジションには、本来は右SBの選手だという1年生のMF三浦雅人(1年=東京Vユース)を抜擢し、チームとしての真価が問われる一戦に臨んでいた。

 筑波大には前半からチャンスがあった。しかし前半20分にFW森海渡(1年=柏U-18)が迎えたGKと1対1の場面は、GK鹿野修平(2年=流通経済大柏高)に止められる。前半終了間際にはDF山原怜音(2年=JFAアカデミー)がFKを狙うが、これも鹿野に弾かれてしまう。

 しかし後半14分、スーパーゴールが試合を決めることになる。右サイドでボールを持った山原が中にドリブルを開始。そしてゴールまで35mの位置から左足を振り抜く。「ピッチがスリッピーだったので、打てば何か起こると思った」という思いきりのいい弾丸シュートは、クロスバーを叩くもそのままの勢いでゴールラインを越えていった。

 筑波大は三笘の他にも、U-20全日本大学選抜で韓国遠征を行っているMF池谷祐輔(2年=川崎F U-18)も不在。代役として三浦、そしてMF岩本翔(1年=G大阪ユース)の1年生コンビが起用されていた。「戦術三笘じゃなくても勝てた」と口も滑らかな小井土正亮監督は、「選手も意地があったと思う。可能性を広げる試合になった」と、抜擢に応えた選手たちに十分な手ごたえを感じていた。

 一方の流経大はこれで6連敗。1分6敗と開幕から唯一の未勝利で最下位に沈んでいる。前半25分にはFW金原朝陽(1年=鹿島学園高)が相手のミスからGKとの1対1を迎えるが、GK阿部航斗(4年=新潟U-18)に止められる。金原は中野雄二監督が「キックのスペシャリスト」と期待を込めて送り出した選手だったが、この日は後半に右サイドから蹴ったFKを大きく外してしまうなど、精度を欠いてしまった。

 三笘不在の筑波大同様、流経大もこの日はGKオビ・パウエル・オビンナがU-22日本代表招集のために不在だった。しかし中野監督は「オビがいないのと、三笘がいないのは、プラスマイナスでは筑波の方が損だろうなと思っていた」と代役として起用した鹿野を自信を持って送り出していたという。それだけに「仕方がないですね」と項垂れるしかない。

 ただし「悲観するほど悪かったとは思わない」と試合内容に及第点を与える。次戦は同じく下位に沈む早稲田大戦ということもあり、「どこかできっかけが出来れば。うちと東洋、早稲田、専修(下位の4チーム)の中で11、12位を避ければいい。そうやって考えると、そこまで深刻ではない」とあくまでも前向きに話していた。

(取材・文 児玉幸洋)
●第93回関東大学L特集

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