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CPサッカーの強化指定選手が決定。浦、大野ら15人を選出

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ボールをキープする大野(右)

 脳に障がいがある人がプレーする7人制サッカー、CPサッカーの2019年度強化指定選手15人が決まった。5月25、26日の2日間、埼玉・西大宮スポーツパークで行われた「強化指定選手選考会」に参加した26人が実戦形式の紅白戦で現時点での力量を判断され、選ばれた。今後は、現在計画中の日本代表の海外遠征等のスケジュールが決まり次第、日本代表が結成され、今回選ばれた15人が軸となる見通しだ。

 25日に選考会がはじまる前、日本代表の荒田雅人監督は参加選手たちにこう訴えたという。

「激しく、強く戦える選手、日本を背負って戦えるかどうか。障がいが重いか軽いかは関係なく、(たとえるなら)顔を投げ出してもボールをとりたいという気持ちを持って相手ボールを奪いに行くような、そんな選手かどうかを見ています」
 
 日本代表の主将の経験を持つ浦辰大や、軽快な動きを見せた大野幹久、ポジショニングのよさでパスカットを連発した三浦良介や、初参加ながら球際の激しさ、執念を評価された高校1年生の河野凌久らが選ばれた。

 大野は選考会に先立ち、5月6日に横浜市内で行われた同市最大の障がい児、者むけのスポーツ大会「ハマピック」に参加。陸上競技の50m走と1500m走に参加し、ともに大会新記録で優勝した。SNSを通して一般の方から称賛の声も得られた。「他の競技にも挑もうとするチャレンジ精神を示せれば、同じ境遇の方にも勇気を与えられるかな、と考えて出場しました。今は以前にも増して体が動くようになっています」

ゴールを決めてハイタッチする浦(右)

 また最近2年間、日本代表の主将をつとめた浦は「選考会があってからこの1週間ぐらいは、選ばれるかどうか不安と恐怖を感じながら過ごしてきました。監督がイメージしているようなリーダーシップにはまだ達していないので、これからはピッチの内外で意識して、少しでも近づけるようにしたいです。今はまだ決まっていませんが、2020年に世界選手権の予選が行われれば、そこで優勝を目指したいです」

 CPサッカーの日本代表は前回、2017年の世界選手権(アルゼンチン)に出場し、16位に終わった。次回は2021年に行われることが予想され、その予選は2020年に開かれることが想定されているが、今はまだ決まっていない。目指すべきターゲットが見えない中、強化指定選手は各自、自らを高めるトレーニングを積んでいく。  
 
【2019年度 CPサッカー強化指定選手】
GK★瀬下秀樹(A・S UNITED.)
GK 二宮一太(エスペランサ)
GK 柳英行(CP KOBE)
FP 亀野大樹(A・S UNITED.)
FP★赤禿賢一郎(エスペランサ)
FP 浦辰大(エスペランサ)
FP★河野凌久(エスペランサ)
FP 谷口泰成(エスペランサ)
FP★本中野雅(エスペランサ)
FP 堀井友哉(大坂PAZ)
FP 久保善暉(P.C.F.A.SALTAR)
FP 三浦良介(P.C.F.A.SALTAR)
FP 大野僚久(横浜 BAY FC)
FP 黒田翔(横浜 BAY FC)
FP 戸田哲也(横浜 BAY FC)
【注】GKはゴールキーパー、FPはフィールドプレーヤー。★は初選出

(取材・文 林健太郎)

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