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ボール支配し、個性も発揮した八戸学院光星が十和田工に3-0勝利、青森3位に

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後半アディショナルタイム、八戸学院光星高は右SB赤坂祐太朗がヘディングシュートを決めて3-0

[6.3 インターハイ青森県予選3位決定戦 十和田工高 0-3 八戸学院光星高 ダイハツスタジアム]

 3日、令和元年度全国高校総体(インターハイ)「感動は無限大 南部九州総体2019」サッカー競技(沖縄)青森県予選3位決定戦が行われ、十和田工高と八戸学院光星高が対戦。八戸学院光星が3-0で快勝し、3位に入った。

 今年の青森県の東北大会出場枠は2。次のステージへの切符がかかった試合ではなかったが、両校が熱いゲームを演じた。序盤からポゼッションして相手を押し込んだ八戸学院光星が6分に先制点。ゴール前にこぼれたボールをMF櫛桁稜生(3年)が左足で豪快に蹴り込んだ。

 先制した後も八戸学院光星がボールを握った。佐藤基治ヘッドコーチが「止めて・蹴るがしっかりできないと山田さんにチャレンジできない。練習から気をつけています」と語る八戸学院光星は、中盤で余裕のある動きと多彩なキックを見せていたMF水口大都(3年)やいずれも正確なフィードが特長のCB山美颯人主将(3年)とCB小島裕介(2年、青森山田中出身)をアクセントにビルドアップ。そしてエースFW宇部大樹(3年)ら前線の選手たちがポジションを入れ替えながらボールを動かし、仕掛け続けていた。

 一方の十和田工はボールサイドに人数をかけてしつこい守り。序盤は相手の奪い返しの速さに苦戦していたが、前半半ば頃から少しずつ落ち着いてボールを繋げるようになった。その中で10番FW岡畑諒太郎(3年)にボールが入ると、攻撃がスピードアップ。単独突破でFKを獲得していたほか、MF向谷地悠大(2年)とのコンビなどからボールを前進させていた。そして、前半32分には左クロスのこぼれをMF川村巧(3年)が左足で狙い、35分は川村の右アーリークロスを岡畑が1タッチで狙うが、いずれもわずかに枠を外れてしまう。

 八戸学院光星は後半開始から投入された1年生MF久米田泰我が異質の動きで相手DFを翻弄。佐藤ヘッドコーチも「1年生らしくないです」と認めるアタッカーは、投入直後にワンツーから左足シュートを放つと、その後もトリッキーな仕掛けから決定機を連続で作り出す。
 
 だが、十和田工は1年生GK柳瀬翼がビッグセーブを連発。必死の守りからカウンター攻撃で同点を目指した。だが、その攻撃を落ち着いて封じた八戸学院光星は後半27分、水口の絶妙なスルーパスで抜け出したMF遠山北斗(3年)がGKとの1対1を制して2-0。アディショナルタイムにも左SB鈴木駿都(2年)の左クロスを右SB赤坂祐太朗(3年)が頭で決めて3-0で快勝した。

 光星学院高時代に選手権6回、インターハイ10回の出場歴を持つ八戸学院光星は、今回のインターハイ予選準決勝で八戸学院野辺地西高に0-1で敗戦。青森山田高との決勝に進むことができなかった。山美は「繋げるところは繋いで縦に速いサッカーをしていきたい。前よりは繋げているし、保持率も高くなっているけれどもシュートの本数がまだ少ないと思うのでPAに行ったらシュート打ち切ることを意識したいと思います」と課題を口にする。

 その課題を改善し、青森山田に対抗するだけの競り合いの強さや精度をつけて選手権予選へ。佐藤ヘッドコーチは「全国1位とやれる機会はなかなかない。チャレンジしたい」と語り、山美は「山田とやるために練習もしてきているので、決勝で山田とやれるように、これからもしっかりと練習をしていきたい」と意気込んだ。王者と対戦し、今年こそ勝利へ。高い目標に全力でチャレンジする。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2019

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