[6.5 インターハイ熊本県予選決勝 大津高 1-0 熊本学園大付高 熊本県民総合運動公園陸上競技場]

　大津高の守備の柱、CB立野航海(3年)は目の前にいた2人の参考となる存在を足し合わせたDFを目指している。昨年、大津の2CBを務めていたのは湘南に進んだ福島隼斗とU-18日本代表、日本高校選抜に選出された吉村仁志(現流通経済大)の2人。昨年、高校トップレベルにあった2人の良い部分を立野は吸収している。

　強みはヘディングや相手のドリブルに対応するステップワーク、そしてフィードだ。立野はその武器を活かし、プレミアリーグWESTでJクラブユース勢のFWに対抗。要所で相手を潰したり、カバーリングでピンチの芽を摘む立野は、同リーグ2位につけるチームに大きく貢献している。

　この日の決勝は熊本学園大付高をシュート1本に封じて完封勝利。後半立ち上がりにはボールを繋がれ、ラストパスまで持ち込まれるシーンが続いた。だが、プレミアリーグ勢のテンポの速いパスワークを体感してきたDFはすぐに対応。意識しているという声でチームを動かし、ボールを高い位置で奪うことに繋げるなど、相手の攻勢だった時間帯をすぐに終わらせた。

　そして、元々ボランチで気の利くCB金子遼太郎(2年)らと隙のない守りを継続。「最後も押し込まれて猛攻あるかなと思ったんですけれども、押し込まれる場面も少なくて良い形で終われたと思います」と1-0の勝利に納得の表情だった。

　毎試合のように声とプレーで存在感を放っている立野だが、より目標の選手たちに近づいていくという目標がある。「(福島)隼斗さんはフィードやチームを統率する力が凄くあって、(吉村)仁志さんはヘディング、セットプレーで獲っていた。2人の良いところを持ってやれればいい」。強みを彼らのように抜きん出た武器にしてインターハイでアピール。「Jユースよりもデカくて、上手くて、速いFWはなかなかいないと思うので、インターハイでも自信もってついていけるかなと思います」と語るDFが全国大会でも自信を持って守り、無失点で勝利する。
　
(取材・文　吉田太郎)

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