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堂々アピール続く久保建英、初戦ベンチ外も「ここは実力の世界」

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練習前、日本代表MF久保建英(FC東京)

 初めて日本代表選手という立場で迎えたキリンチャレンジカップのトリニダード・トバゴ戦(△0-0)では、A代表デビューが期待されながらも登録メンバー外。それでもMF久保建英(FC東京)は現状の立場に目をくれず、ひたすらに次の試合へのモチベーションを持ち続けている。

 キリンチャレンジ杯のエルサルバドル戦(ひとめS)を2日後に控えた7日、久保は合宿期間2度目の囲み取材に応じた。森保一監督の起用法に対する悔しさを問われる場面もあったが「それを言って森保さんと良い関係になることはない」ときっぱり。あくまでも「練習でアピールするだけ」と強調した。

 合宿開始から6日目。公開されたメニューを見る限りでは実力が代表レベルにないという可能性はない。鳥かごでは巧みな左足タッチと意表を突いた右足使いでボールを操り、タッチ制限付きの6対6では鋭い判断で味方にパスを配給。課題とされた攻守の切り替えを要するメニューは少ないが、初招集ということを差し置いても上々のレベルにある。

 とはいえ、現状ではそうした優位性を感情として表に出そうとはしない。トリニダード・トバゴ戦を「終わったことなので次の試合に向けてアピールするだけ」と総括した久保は「自分だけじゃなくてみんなも準備していると思う。自分もチャンスが来るまで準備をしている」と冷静に出番を待つ構えだ。

 森保監督はトリニダード・トバゴ戦の試合後、ベンチ外の理由を「移籍報道等、いろんなプレッシャーがかかっている中、少し緊張の糸を緩めながら先に進んでいったほうがいいのかなという思いを持って彼を見ている」と説明していた。この決断には賛否もあるはずだが、この判断によって久保のモチベーションが変化することはない。

「いつから代表を見ているかは覚えていないが、W杯にも行ったし、だんだん近い存在になってきていて、今回招集された。ここは実力の世界だと思う。実力があればメンバーに入れると思うし、それは自分が何をしようが変わらない。ピッチ上で全てを表現するしかない」。目の前に広がる日本最高峰の競争。18歳はそれをまっさらな瞳で見つめている。

(取材・文 竹内達也)

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