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「トトン」のリズムでDF翻弄。名経大高蔵の2年生MF岩松虎徹「沖縄で自分の名を売ってきたい」

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名経大高蔵高の2年生MF岩松虎徹は独特のボールタッチでDFを翻弄した

[6.8 インターハイ愛知県予選決勝 岡崎城西高 0-1 名経大高蔵高 口論義運動公園]

 “異質のテクニシャン”が愛知決勝のピッチで舞った。名経大高蔵高の2年生MF岩松虎徹は、独特のボールタッチで立ち上がりから県新人戦優勝の岡崎城西高のDFを翻弄。前半9分には左CKから右足でCB沢田一颯(3年)の決勝ゴールをアシストした。

 決してスピードがある訳でも、フィジカルコンタクトが強い訳でもない。だが、名経大高蔵の背番号14は“普通とは違う”タッチのドリブルで相手DFをかわし続けていた。「みんなと一緒にトンと触っても良いんですけれども、トトンと触れば相手が足出してくるんで、1回足出させて抜く感じ」という身体に染み付いたボールコントロールでキープと突破。相手の状況を見て、かわしに行ったり、パスを繋ぎ続けたりしていた。

 仕掛けに行った際も無理に抜ききることをせずに、シンプルにスローインやCKを取って攻撃を再開。狡猾さも見せていたMFは、守備面でもセンスを発揮して優勝に貢献し、「自分の良さが出せたところも出せなかったところもあったけれど、高蔵らしくドリブル突破で崩して行けて勝ちに繋げられたから良かったです」と微笑んでいた。

 ダブルボランチの一角としてプレーした岩松だが、後半は体力面で苦戦。ボールに絡む回数が減ったほか、試合を通して決定機に絡むシーンも少なかった。本人は課題について「体力ですね。ドリブルとかで体力使って後半ガス欠とか。自分の身体の弱さが全国で立ちはだかると思うから、当たり負けしないとかそういうところをちゃんとやっていきたいです」。課題はまだまだあるが、面白いタレントであることは確か。そして、本人も野心を持っている。

「(インターハイが開催される)沖縄で自分の名を売ってきたいなと思っているので、ドリブルとパスとかもっとチームで連係を合わせていって、沖縄で負けて終わらずに全部勝ち切って終わりたいですね。今まで魅せるというよりも、自分のためにやってきたことがやっと周りに評価されたというか(注目されるようになってきた)。今まで通りやって、もっともっと自分の名前やチームの名前が上がっていって高蔵が強豪になってほしいです」と期待していた。

 今後目指すプレースタイルは「イニエスタとかモドリッチのような上手くてオールラウンダーな選手だったり、ブスケツのように相手をあざ笑うかのようなところも意識していますね」。まずはこの夏、スカウトたちの目に留まるようなプレーをすることができるか。独特のリズムを持つテクニシャンが将来への道を切り開く。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2019

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