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ボール保持して攻め続けるも、欠いた前半のメンタル面と後半の技術力。岡崎城西は愛知2冠ならず

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岡崎城西高は選手権予選で愛知制覇に再挑戦する

[6.8 インターハイ愛知県予選決勝 岡崎城西高 0-1 名経大高蔵高 口論義運動公園]

「力がない証拠ですよ」。愛知2冠と7年ぶりのインターハイ出場を狙った岡崎城西高の金重卓広監督は、敗戦の大きな要因について、前半のメンタル面と後半の技術不足とした。改善するために繰り返し、精度を磨いて「安定した精神と技術を」とコメント。選手たちはこの敗戦から学んだことを糧に選手権予選制覇を目指す。

 前半は明らかに受けに回ってしまった。立ち上がり、名経大高蔵が得意とするドリブル攻撃の前に重心が後ろに下がってしまい、流れが悪いまま迎えた9分にセットプレーから失点。エースMF小椋遥矢(3年)は「(失点後)集まって話した時に『まだ早い時間だったので慌てることなくやろう』と話していたんですけれども。前半はみんな緊張もあったと思うんですけれども、焦ったりするプレーがあって、普段よりも精度を欠いた試合運びになったと思います」。徐々に落ち着きを取り戻してボール支配を高めたが、バイタルエリアを攻略する回数を増やすことができない。

 ともに技術レベル高い小椋やMF江澤志遠(3年)がギャップに潜り込んで決定機を作り出し、波状攻撃を繰り出す時間帯もあった。だが、指揮官が指摘したように、人数をかけた攻撃が少なく、精度も欠いて相手を飲み込むことができず。県1部リーグでは7-0で大勝していた相手にビハインドを負って前半を折り返すことになった。

 後半立ち上がりは、明らかにギアを上げた小椋が中盤をドリブルで打開し、シュートにまで持ち込んだ。その後もボールを圧倒的に保持して江澤やFW細野晃平(3年)のドリブルで局面を打開。サイドへの展開で相手の守りを広げ、交代出場のFW伊藤恵剛(3年)やMF小林泰嘉(3年)がその突破力でプレッシャーをかけた。

 左SB澤田一輝(3年)らも加わり、応援席を沸かせるような攻撃を繰り返していた岡崎城西だが、細かな精度が課題となるなど名経大高蔵の守備ブロックをこじ開けることができない。残り時間が少なくなる中、諦めずに攻めた岡崎城西は後半アディショナルタイム、左サイドから仕掛けた小椋がドリブル突破。その折り返しを交代出場FW赤澤直弥(3年)が左足で合わせたものの、枠を外してしまう。

 ラストプレーで右SB大畑楓稀(3年)の放った右足FKも阻まれ、万事休す。後半はボールを保持する時間を伸ばして攻め続けた岡崎城西だったが、金重監督は「雑でしたよ」と指摘。悔しい敗戦から「勝ち負けの差に出ている」(金重監督)、「チームで基礎に戻って一からやり直す必要があると思います」(小椋)いう細部から磨き直し、もう一度エネルギーを持って冬に向かう。
 
(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2019

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