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ボランチとして進化遂げた関西学院大MF山本悠樹がG大阪へ。成長を後押しした人との出会い

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大学サッカー界屈指の司令塔、関西学院大MF山本悠樹ガンバ大阪

 ガンバ大阪は11日、関西学院大MF山本悠樹(4年=草津東高)の来季加入内定を発表した。7月に行われるユニバーシアード日本代表にも選ばれる山本は、正確なキックと高い戦術眼が光る司令塔。ボランチとしてプレーする今季は関西学生リーグで6得点4アシストを記録している。

 3つのJクラブから正式オファーが届いた大学屈指の司令塔が進路に選んだのは、2度のJ1優勝を誇るG大阪だった。加入にあたり、山本は「パスを繋いで主導権を握るサッカーが、自分のスタイル的に合うと思った。前にタレントが多いので上手く配球できれば、たくさんのチャンスが作れる。試合を観ても、自分が入った時のイメージが湧きやすかった」と明かしている。

 草津東高時代は1年目から背番号10を託された実力派。高校3年次にはセレッソ大阪の練習に参加したが、MF山口蛍(現ヴィッセル神戸)らにレベルの差を見せつけられ、プロ入りを断念し、関学大に入学した。

 当時は守備が苦手で、トップ下への拘りが強かった。大学に入ってからも、攻撃センスを買われる一方で守備は課題だったが、学年が上がるにつれ、ハードワークの意識が向上。Jクラブからパスセンスや相手を剥がす動きをボランチとして評価されることが多かったことも意識の変化を生んだ。

 今年に入ってから、立て続けにJへの練習参加や全日本学生選抜の活動を重ねたことで、ボランチとして生きていく覚悟を決めたという。そこからの動きは目を見張る程で、プロ1年目からスタメンの座を掴むつもりために走る量や守備意識などをプロ基準に合わせて、大学生活最後の一年に挑んでいる。

 人との出会いも彼の成長を後押しした。元日本代表MFでFC東京の羽生直剛スカウトが山本を高く評価し、今年2月のキャンプに参加。山本と同学年でFC東京U-18出身のMF安部柊斗(明治大4年)を獲得したため、正式オファーには至らなかったが、コンスタントに視察に訪れた羽生氏から様々なアドバイスを受けた。

 また、湘南ベルマーレの練習に参加した際は、チョウ・キジェ監督から「久々にお前みたいなタイプの選手を見た。嬉しいよ」と言葉をかけられ、プロ入り後の指南を受けた。山本は「色んな人と出会って、得られた物は大きかった」と振り返る。

 G大阪でのライバルは、クラブのレジェンドであるMF遠藤保仁だ。練習参加した際には、自身と似たタイプと評する元日本代表のプレーを目の当たりにし、サッカーセンスの高さに刺激を受けた。5月に行われたセレッソ大阪との大阪ダービーでは、相手にボールを持たれたら嫌な位置を的確な読みで消す守備力にも感銘を受けたが、指を咥えて出場機会を待つつもりはない。

「ガンバを代表する選手になれれば代表や海外も見えてくるので、1年目から勝負したい」。大学の先輩であるDF高尾瑠を筆頭にニュージェネレーションが出場機会を増やすG大阪の新たな旗手になれるか。プロ一年目からの活躍に期待したい。

(取材・文 森田将義)
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