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繋ぐスタイルへ舵を切った前橋商が攻めてライバルに対抗。「夏しっかり準備して、良い形で選手権に臨みたい」

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前橋商高の中盤で存在感を放ったMF矢端廉

[6.9 インターハイ群馬県予選準々決勝 前橋育英高 4-0 前橋商高 群馬県立敷島公園サッカー・ラグビー場]

 インターハイ出場17回の前橋商高は、前橋育英高との伝統の一戦、“前橋クラシコ”で0-4の敗戦。結果は大差がついたが、磨いてきた繋ぐスタイルとサイド攻撃で勝負に出て、会場を沸かせるシーンを幾度も作った。

 過去5年で3度選手権全国決勝まで勝ち上がっているライバルに対して、近年は守備的かつ我慢の戦いを強いられていた。笠原恵太監督は「負けちゃいけないというプレッシャーが選手にも我々にもあった」と説明する。勝つことだけに執着するような戦いになっていたが、そこから舵を切り、ボールを保持しながら勝負するスタイルへと変化。今年は技術力のある選手が多いこともあって、ショートパスを繋ぎながら攻めるサッカーに取り組んできた。

 この日はキーマンのMF矢端廉(3年)やMF石倉潤征(2年)、いずれもキック精度の高いCB大森幹太(3年)、CB椎名輝主将(3年)を中心に後方からショートパスを繋ぎながらビルドアップ。時折、長身FW梅木智央(3年)の高さも活用しながら攻めた前橋商は前半29分、MF大野魁晟(3年)が右サイドを突破して決定的なクロスを入れる。

 その後も大野の突破が相手を苦しめ、矢端がセカンドボールを拾って崩しにかかわっていく。また、前半途中から10番FW坂本治樹(2年)、後半開始からは推進力の高いFW山越稜太(3年)と攻撃カードを次々と切って相手にプレッシャーをかけた。

 だが、この日は前後半ともに流れが良い時間帯に失点してしまう。前半は2点ビハインドとなってからチャンスの数を増加。そこで1点取り返していれば相手をバタつかせていたかもしれないが、逆に後半12分に連係ミスから3点目を失った。

 その後もチャンスを作っただけに椎名は「早い時間に失点しないで、耐えて1点でも獲れていれば違う結果になったと思います」と無念の表情。それでも、攻撃面でできた部分が多かったことは今後へ向けての自信になったようだ。

 ただし、まだまだライバルとの差があることも確か。笠原監督は選手権予選へ向けて、技術面とともに身体的な部分も強化する考えだ。そして、椎名は「まずは一個一個。早い時間で失点したのは我慢強さが足りなかったからだと思うので、選手権に向けて我慢強さだったり、攻撃のところももっと枚数増やして力強い攻撃ができれば良いと思います。強豪校が多い群馬を勝ち抜いて全国に出て活躍したいです。夏しっかり準備して、良い形で選手権に臨みたいと思います」と改善と、選手権予選での優勝を誓った。

 ポテンシャルを秘めた182cmGK水村悠夢(2年)や両CBらサイズ感のある選手も多く、楽しみなチーム。今後への可能性を示す戦いを見せた前橋商が強みをさらに磨き、課題を改善して選手権予選でライバル超えと、15年ぶりとなる優勝を果たす。

(取材・文 吉田太郎)
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