beacon

相手を見て攻め、高い意識で奪い返し徹底。U-16日本代表がナイジェリア攻略して2連勝!

このエントリーをはてなブックマークに追加

U-16日本代表はFW勝島新之助のハットトリックの活躍などで2連勝

[6.14 U-16インターナショナルドリームカップ第2節 U-16日本代表 4-1 U-16ナイジェリア代表 ユアスタ]

 U-16日本代表がナイジェリアを4発撃破! 「U-16インターナショナルドリームカップ2019 JAPAN presented by 朝日新聞」は14日、宮城県仙台市のユアテックスタジアム仙台で第2節を行い、U-16日本代表はU-16ナイジェリア代表と対戦。FW勝島新之助(京都U-18)の3得点と交代出場CB諏訪間幸成(横浜FMユース)のゴールによって4-1で快勝した。2連勝(1PK勝ち)のU-16日本代表は勝ち点5で首位浮上。日本は16日の最終戦でU-16メキシコ代表と戦う。

 ナイジェリアのスピードとパワーの前になかなか前進できない時間帯もあった。それでも、難敵を見事に攻略しての勝ち点3。山橋貴史監督は「選手が落ち着いて、ハーフタイム挟んで相手をよく見ながらボールを前に運べていた。我々が上手くボールを動かせていたので、最後は相手もちょっと疲れてきて、最終的には得点に繋がったと思います」と頷いていた。

 相手をよく見て対応し、「今回我々のチームだけじゃなくて、日本全体で身体と身体のぶつかり合いのところもしっかりとやっていきましょうと。(海外の相手に対しても)負けないようにというところでは日本全国で共有できているんじゃないかと思います」(山橋監督)というコンタクトの部分でも、当たり方を考えながらよく戦っていた日本が優勝に王手をかけた。

 日本はPK戦で勝利したU-16ルーマニア代表戦(12日)から先発7人をチェンジ。GKは田中春希(磐田U-18)で4バックはゲーム主将の右SB森田翔(FC東京U-18)、CB波本頼(金沢U-18)、CB工藤孝太(浦和ユース)、左SB大迫蒼人(FC東京U-18)。中盤は東廉(清水ユース)と三木仁太(G大阪ユース)のダブルボランチで右MF原直生(湘南U-18)、左MF山崎太新(横浜FCユース)、2トップは勝島とルーマニア戦同点ゴールの千葉寛汰(清水ユース)がコンビを組んだ。

 序盤、森田らが出足の鋭い守備を見せるなど、高い位置での奪い返しに成功していた日本がチャンスを作る。7分、左サイドを駆け上がった大迫の折り返しを受けた勝島が縦に割って入ってから決定的な左足シュート。8分にも三木らがショートパスを繋ぎ、最後は原がフィニッシュに持ち込んだ。

 そして17分、日本は最終ラインからボールを左サイドへ繋ぎ、スピードに乗って縦に切れ込んだ山崎が中央へ折り返す。これを勝島が左足ダイレクトで決めて先制した。その後も日本は原のドリブル突破や勝島の抜け出しなどから2点目を狙う。

 だが27分、やや守りが甘くなったところを突かれてシュートへ持ち込まれると、こぼれ球をMFダミロラ・アデイェイェ(フェニックスAC)に押し込まれて同点に追いつかれた。その後、ナイジェリアのハイプレッシャーにやや手こずった日本はセカンドボールも拾えず、またPA手前までボールを運びながらシュートの積極性を欠くシーンも。41分には負傷を抱えるCB波本頼(金沢U-18)が諏訪間と交代した。

 重い展開になりかけていたものの、田中は「(失点したが)まだ負けていなかったので、冷静にして確実にやろうと思いました」。その日本は終了間際にオープン攻撃から良い形を作り出して前半を終える。

 そして、原をMF山根陸(横浜FMユース)に代えて迎えた後半、日本がナイジェリアの守りを攻略する。5分、敵陣でボールを奪った勝島が2度のキックフェイントとDFの股間にボールを通すドリブルから左足で鮮やかな勝ち越しゴール。7分には左CKでゴールエリアに選手を集めると、山根の絶妙なキックをファーサイドの諏訪間が頭で合わせて2点差とした。

 日本は各選手が非常に切り替えの速い守備を徹底。高い位置で何度もボールを奪い返して攻撃に繋げていた。諏訪間は「(失った直後に)そこからボールを取ったら、すぐに点取れるよと言っていて、それで取れたのも良かった」と語り、山橋監督も「切り替え速くというのは、みんなで徹底して行こうという話をしていたので、選手たちが一生懸命やってくれたと思います」と讃えていた。

 その後も大迫や千葉があわやのシュートを連発。22分に東と山崎を右MF中村仁郎(G大阪ユース)、左MF豊田晃大(名古屋U-18)に、30分に千葉をFW河野孝汰(山口U-18)に代えた後も、選手たちは切り替えの速い攻守と相手を見ながらボールを動かし、攻める部分を継続する。

 36分には中村がポスト直撃の左足シュート。そして40分、森田、中村と繋ぎ、ボールを受けた勝島がドリブルシュートを右足で決めてハットトリックを達成した。41分には三木を左SB松木玖生(青森山田高)にチェンジ。試合終盤は中途半端な攻撃からカウンターを食らい、シュートも打たれたが、この日空中戦で強さを発揮していた工藤らDF陣が踏ん張って4-1で勝利。2連勝とした。

 サブ組の選手が、ゴール裏のアップスペースからピッチ内のチームメートに再三声がけしたり、讃えたりするなどチームの雰囲気は上々。その中で好プレーを見せた選手がいた一方、この日「地元」東北で納得の行くプレーができずに悔しがっていたGK田中ら2日後の最終戦に懸ける選手もいる。この日は好ゲームで勝利したが、個々、チームでもっと質を求めていく。

 山橋監督は優勝の懸かったメキシコ戦へ向けて「選手には『結果は後からついてくるものだ』という話をしている。次の一戦、自分たちのやるべきことをしっかりとやって、それが終わった時に優勝という結果に結びついていたら良いなと思いますね」。まずは自分たちのやるべきことを高いレベルで実践すること。そして、必ず結果を引き寄せる。

(取材・文 吉田太郎)

TOP