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“全国復帰”へあと1勝。水戸商が「らしく」繋いでサイド攻撃、大胆なシュートで鹿島に逆転勝ち!:茨城

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後半20分、水戸商高の左SB加藤大星が右足で勝ち越しゴール

[6.15 インターハイ茨城県予選準決勝 水戸商高 2-1 鹿島高 ひたちなか市総合運動公園陸上競技場]

 伝統校・水戸商が“全国復帰”へあと1勝――。15日、令和元年度全国高校総体(インターハイ)「感動は無限大 南部九州総体2019」サッカー競技(沖縄)茨城県予選準決勝が行われ、関東大会予選優勝校の水戸商高が2-1で鹿島高に逆転勝ち。水戸商は8年ぶり23回目の全国大会出場を懸けて、19日の決勝で明秀日立高と戦う。

 水戸商が雨中の逆転勝ちでインターハイ出場に王手をかけた。前半は風上に立った鹿島が攻守にアグレッシブなサッカーを展開。11分には敵陣中央左寄りの位置で獲得したFKをFW多崎峻多郎(3年)が低い弾道の右足シュートで右隅に決めて先制した。

 その後も鹿島は中盤でのハードワークが際立つMF石毛涼太主将(3年)らの潰しから素早い攻撃。左の快足MF仲沢賢(3年)がスピードを活かした縦突破や、MF本多康聖(3年)とのコンビネーションからの仕掛けでゴールに迫る。

 対する水戸商は期待の2年生FW佐川瑠偉が負傷欠場。だが、その中で10番を背負う左利きのFW廣瀬正明(3年)が奮闘する。前線でDF2人をかわしてシュートへ持ち込んだり、左クロスからバイシクルショットも狙った。試合開始前から続く風雨は徐々に強さを増していたが、水戸商はボールを動かせるピッチ状態だと判断。MF佐川留菓(2年)やMF森田智也(3年)らが長短のパスを廣瀬とFW菊池航(3年)の2トップまで繋ぎ、そこからの崩しで鹿島にプレッシャーをかけた。

 迎えた後半2分、水戸商が同点に追いつく。MF巻田有生(2年)の左CKを初先発の右SB速水紀之(3年)が強烈ヘッド。佐藤誠一郎監督が「(試合を通して)あれだけやってくれた。落ち着いていた」と評した1年生の一撃は、DFに当たってゴールライン上にこぼれたが、これを廣瀬が左足1タッチでゴールに押し込んで1-1とした。

 水戸商は狭い局面での崩しとワイドを活用した攻撃で2点目を狙う。一方の鹿島もDFラインの背後を突いた左SB木下晴喜(3年)や仲沢が決定機を迎えるが、水戸商GK所秀真(2年)のファインセーブに阻まれるなど勝ち越すことができない。

 1-1のまま進んだ試合は佐藤監督が「サイドからの崩しをずっとやっている」というサイド攻撃から水戸商が勝ち越しゴール。その1点は指揮官が「前半、ゴール前の大胆さが欠けていた」と指摘していたゴール前の思い切りの部分も大きかった。

 後半20分、水戸商は左タッチライン際でショートパスを出し入れして相手DFを引きつけると、MF佐川留菓(2年)からのパスを受けた左SB加藤大星(3年)が中に切れ込んで右足一閃。「しっかり足下にボール来たので冷静にシュートまで行こうと思って、最後は振り切りました」という一撃は右ポストを叩いて内側に跳ね返り、ゴールラインを越えた。準々決勝でもファインゴールを決めている加藤の会心の一撃に水戸商イレブンは喜びを爆発。雨中でも徹底したボールを繋ぐ部分とサイドからの崩し、そして大胆なシュートで勝ち越した。

 鹿島も気持ちの入ったプレーを続ける石毛を中心に反撃する。試合終盤はセットプレーを増やして水戸商のDF陣に圧力をかけた。だが、水戸商はゴール前での落ち着きが光る182cmCB大槻海偉主将(3年)を中心に跳ね返して決定打を打たせない。最後まで1点を守り抜いた水戸商が、決勝へ駒を進めた。

 近年はインターハイ、選手権ともに私学勢が茨城代表の座を独占。だが、4、5月の関東大会予選で水戸商は明秀日立、鹿島学園高の2強連破して頂点に返り咲いた。迎えたインターハイ予選でもメンバーの半数以上が中体連出身の“雑草軍団”が、堂々の決勝進出だ。

 全国切符を懸けた一戦は佐藤監督が「120パーセントでぶち当たらないと勝てない」という相手、明秀日立。大槻は「関東大会で明秀(日立)と(鹿島)学園、強豪と言われる2つに勝てたことがインターハイへの勢いにも繋がっている。DFラインしっかり作ってから攻撃に繋げる自分たちの形がしっかりとできていると思います。全国大会は一つの目標なので全員で一丸になって戦っていきたい」。かつてインターハイで全国制覇も経験している伝統校が全てをぶつけて、私学の壁を破る。 

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2019


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