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再び最下位転落も…鳥栖主将から見た光明「今までと明らかに違う」

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再び最下位に転落したサガン鳥栖

[6.15 J1第15節 浦和2-1鳥栖 埼玉]

 攻勢が続いていた後半アディショナルタイムに決勝点を献上し、最下位転落につながる敗戦を喫したサガン鳥栖。だが、MF福田晃斗はいたって冷静だった。「総括して悔しいの一言。それ以上言うことが見つからない」。一度はそう切り出した主将だったがさらに言葉を続け、現状の戦いぶりを前向きに語った。

「自分たちとしてはやることはやった」。最終結果は1-2での敗戦。金明輝監督が試合後会見で述べたような試合運びの拙さは見られたかもしれないが、この日の鳥栖が下位のアウェーチームとは思えないパフォーマンスを見せたのも事実だった。

 最終ライン起点のパス回しで相手のプレッシングを待ち構え、いざスペースが空いたと見るや縦パスを入れてスイッチオン。アタッキングサードに侵入した後は5バックでリトリートする相手を複数人のフリーランニングで崩し切るなど、開幕10戦で1得点にとどまった停滞感は欠片も見られない。

 第10節の大分戦になすすべなく敗れた後、正式に金監督が指揮を執るようになってから3連勝を達成。ここ2試合は健闘しながらの連敗が続いているが、今季途中からキャプテンに就任した福田に迷いはなさそうだ。

「この埼玉スタジアムでは、押し込まれて、ずっと引いていて、カウンターとセットプレーで点を取れれば……というのが今までのサガン鳥栖の戦い方だった。ただ、(ビルドアップで)GKを使いながら自分たちの時間を持てたことは今までと明らかに違う部分。それをいまはどの試合でもやれている」。

 もちろん、決勝点を献上した場面を筆頭に反省すべき要素はあったし、MFマルティノスへのファーストプレスをいなされたことで「僕もマルティノス選手が持った時に時間も時間だったのでイエロー覚悟で行くつもりだったけどかわされた」と悔やんだ福田もそれは重く受け止めている。

「人数は全然揃っていたし、いま最下位ですけど、そこで守れないとこれから上に行くのも厳しい。ああいうのは練習のところの甘さも出てくると思うし、練習からやっていることが全て出ると思うので、ああいうところをしっかりできたらいい」。手の付けどころが難しかったシーズン序盤に比べれば、改善すべき点が明確になっているのも大きな前進だ。

 だからこそ、進んでいる道に間違いはない。「手応えとしては今日もあったし、だからこそ本当に勝てなかったこと、最悪引き分けに終われなかったことがすごく悔しい。選手たちもみんな感じていると思う。ただ、悔しい悔しいで済ませていたら前に進めないので、そこに向き合って改善していきたい」。成績上は再び最下位に転落した鳥栖だが、着実に新たなフェーズを迎えている。

(取材・文 竹内達也)
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