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ブラサカ日本代表が佐々木康裕の5年ぶり代表戦ゴールでトルコBを振り切り、無敗死守

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逆転弾を決めた佐々木康裕に群がる日本代表(写真提供:日本ブラインドサッカー協会)

【アンカラカップ】(トルコ)
[グループリーグ第4戦 日本代表 4-2 トルコ代表B]
得点者
黒田智成(前半10分)
トルコB選手(前半11、15分)
川村怜(前半17分)
佐々木康裕(後半4分、7分)

[先発メンバー]
GK佐藤大介(たまハッサーズ)
FP川村怜(Avanzareつくば)
FP黒田智成(たまハッサーズ)
FP田中章仁(たまハッサーズ)
FP佐々木ロベルト泉 (Avanzareつくば)
監督 高田敏志
ガイド 中川英治

 トルコに遠征中のブラインドサッカー日本代表が第4戦でトルコ代表B戦に挑み、4-2で振り切った。後半から出場の43歳、佐々木康裕が後半4分に勝ち越しゴール、7分にダメ押しゴールを決めて、今大会3勝目となる勝利に貢献した。

 前半はシーソーゲームとなった。日本代表は前半10分、黒田智成が今大会5得点目となるゴールを決めるが、その1分後、すぐに同点に追いつかれ、前半15分にも失点し、1-2とリードを許す展開に。しかしその後17分に川村怜のシュートが決まり、2-2の同点で前半を折り返した。

 後半、立ち上がり1分にPKのチャンスを得たが、決めきれずに勝ち越しチャンスを逃したが、後半4分、途中出場の佐々木康裕が今大会初ゴールを決め逆転に成功。その後、相手にPKを与えるピンチに陥ったが、GK佐藤大介のナイスセーブで乗り切り、後半7分、佐々木康がこの日2ゴール目を決め、勝利を引き寄せた。2013年12月の欧州遠征で対戦したイタリアのクラブチーム、Liguria Calcio Non V戦以来のゴールに声を上ずらせた。

「本当に久しぶりに得点できたというのが一番、嬉しかった。2013年の欧州遠征の時はPKで決めたので、流れの中でというともっと久しぶりです(2011年12月アジア選手権・韓国戦〇2-0)。1点目を取るまではとにかく前でキープをしてシュートまで持っていくことに必死だった。(前日24日に出場した)トルコA戦ではシュートまでなかなか行けなかったので、まずしっかりボールを納めてドリブルをして、シュートを打とうと思っていました。2点目もトモさん(黒田智成)からのパスが足元にピッタリ来て、(トルコの宿舎での)”同部屋ホットライン”によって得点ができた。昨日も今日も失点してちょっと厳しい時間帯もあったが、その中で勝ち切れたのが良かったです」

トルコに向かう前、佐々木康は並々ならぬ気迫を胸に秘めていた。

「3月のワールドグランプリ(WGP)では3年半ぶりに代表に選ばれた緊張がありました。あの時は出場時間が少なすぎて、周りのレギュラーの選手たちがボロボロになるまで戦ったのに(自分が)もっと使ってもらえる選手だったら、もっと(レギュラーの)彼らを楽にさせてあげられたはず。そういう意味で(自分に対して)悔しいんです。だから今回はやってやろうという気持ちです。東京(パラリンピック)には出たいと思っていますが、選ばれないかもしれない。これからは大会ごとが勝負。1つ1つ目の前の大会を目指してやっていかないといけない」

日本代表合宿中の佐々木康裕

 普段は千葉県庁で働く佐々木康は仕事の後、ジムでトレーニングを積むことが多い。特に3月のWGP後は自分への悔しさを晴らすかのように、ランニングマシンで走る量が増えていた。地道に歯を食いしばってきた成果が国際舞台で発揮できた。

 佐々木康を後半から投入した采配が的中した高田敏志監督もこう振り返る。

「後半、攻撃のリズムを変えるために投入したんですが、緩急のあるドリブルで相手を翻弄し、逆転とダメ押しのゴールを奪ってくれた。相手を分析しゲームプランを立て、その上で個々の選手の長所を活かす為のプレーヤーズプランを実行する。チーム全体で取り組む『組織の中で個を活かす』というスタイルを少し表現できたことは選手たちにとって自信になったと思う」

 日本時間の25日、グループリーグ最終戦でスペインB戦に挑む。5連戦目となり、今まで出場機会の少なかった選手がピッチに立つ時間が増える可能性が高い。これまでは主将の川村怜やベテラン黒田智成の2人に頼りがちだったが、控えの佐々木康が2発決めたことで、チーム内競争が活性化する兆しが出てきた。スペインB戦で加藤健人寺西一が自分の良さを出せれば、チームの底上げが図れるだけに、日本代表の今後にとっても大切な一戦となる。

▼大会スケジュール
6/21 〇6-0ルーマニア
6/22 〇1-0スペインA
6/23 △2-2トルコA
6/24 〇4-2トルコB
6/25 16:00スペインB
6/27 順位決定戦(5位、3位、決勝)
※時間は日本時間。変更の可能性あり。

【日本代表メンバー】
GK佐藤大介(たまハッサーズ)
GK佐々木智昭(コルジャ仙台ブラインドサッカークラブ)
FP川村怜(Avanzareつくば)
FP田中章仁(たまハッサーズ)
FP黒田智成(たまハッサーズ)
FP加藤健人(埼玉T.Wings)
FP寺西一(松戸・乃木坂ユナイテッド)
FP佐々木ロベルト泉 (Avanzareつくば)
FP佐々木康裕(松戸・乃木坂ユナイテッド)
監督 高田敏志
ガイド 中川英治

(取材協力 日本ブラインドサッカー協会)

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