beacon

「たかが1ピース、されど1ピース」久保建英の穴を認める指揮官が喜んだ一撃

このエントリーをはてなブックマークに追加

壮行セレモニーでチームメイトから胴上げされるMF久保建英

[6.29 J1第17節 FC東京4-2横浜FM 味スタ]

 嫌な流れを断ち切ったのは“ポスト久保建英”の22歳だった。コパ・アメリカ(南米選手権)もあり、大会中にレアル・マドリー移籍が決まったMF久保建英を欠いた過去2試合で連敗を喫したFC東京。しかも2試合連続無得点という苦しい状況の中、この日も前半15分に先制を許した。

 しかし、FW永井謙佑が「サンホの1点目が大きかった」と振り返ったとおり、失点から2分後の前半17分、MFナ・サンホのシュートが相手GKのファンブルを誘って同点ゴール。「運も味方につけたと思うけど、反撃に出るきっかけをつかまないといけないと思っていた」(ナ・サンホ)という積極性が得点につながり、その後も得点を重ねたFC東京が4-2で首位攻防戦を制した。

 ナ・サンホは4月6日の清水戦(○2-1)以来、11試合ぶり今季2得点目。久保に代わって前節から先発起用されており、この日は韓国代表でもプレーしているという左サイドに入り、MF東慶悟が左から久保のいた右サイドに回った。

「左が自分にとってはやりやすいかなと思っている。右も左もできる選手にならないといけないけど、代表では左で出ることが多かったし、左で期待に応えることができてよかった」。そんな22歳の得点を長谷川健太監督も「サンホが決めたことはチームとしても士気が上がる結果になると思う」と喜んだ。

 それも久保の穴を埋めるという至上命題があるからに他ならない。「(久保)建英がいなくなって、なかなかタメをつくれる選手、前の2人(2トップ)に絡める選手がいなかった」と指摘した指揮官は「サンホをどうチームとして生かすかがポイントだった。今日は左に置いて、彼の起点から何回かいいカウンター、ファストブレイクを仕掛けることができた」と評価する。

「たかが1ピースだけど、されど1ピース。(久保の)抜けた穴は大きい。彼のタメや意外性はなかなか他の選手では補えない」と、久保移籍の影響を率直に認める。だからこそ、「サンホが結果を出して、どんどんチームに馴染んでくれれば、違うファストブレイクなり形で得点が取れることに期待したいし、それも研究されると思うので、第2、第3(の攻撃パターン)というものを今後考えていかないといけない」と冷静に語った。

(取材・文 西山紘平)

★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!
●2019シーズンJリーグ特集ページ
●“初月無料”DAZNならJ1、J2、J3全試合をライブ配信!!

TOP