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[MOM2910]流通経済大柏MF大西悠介(3年)_先制点に加え、守備でも奮闘。名門屈指のタレントが本領発揮

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後半23分、流通経済大柏高MF大西悠介が先制ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.30 高円宮杯プレミアリーグEAST第8節 市立船橋高 0-2 流通経済大柏高 グラスポ]

 流通経済大柏高は中盤のタレント、MF大西悠介(3年)が本領を発揮した。2シャドーの一角として先発した大西は0-0の後半23分に先制ゴール。左SB田村陸(2年)の折り返しをニアのFW橋本清太郎(1年)が触れてコースが変わったものの、大西は上手く走り込んで右足を振り抜く。

 相手のタックルもボールに届いていたが、「ちょっとぶつけながら当たったぽくて、パパーンと勢いづいた」という一撃が市立船橋高ゴールを破った。シュートが決まると、雄叫びを上げながらピッチサイドにいたチームメートの下へ。そして歓喜の中心になった。

 その大西は「今までは全部戻っていたけれど、下地がカバーしてくれるので、結構助けられている」という1ボランチのMF下地陸斗(3年)のサポートを受けながら中盤で奮闘。推進力のあるドリブルや高精度の右足キックで相手ゴールを目指した。また、守備面では相手の速攻に対して献身的に戻り、スピードダウンしたところでボール奪取。前半は中盤を破られるシーンがあったが、後半はMF八木滉史(3年)とともにプレスバックをより意識することで中盤の攻防戦で流れを引き寄せていた。

 しなやかさと力強さを併せ持つブラジル系のMFは1年時から注目され、昨年は先発として期待された時期もある。だが、怪我もあって十分な活躍をすることができず。今年のインターハイ予選では約2週間の離脱から決勝で復帰も、本領を発揮することができないままチームも逆転負けを喫してしまう。

 それでも大西は「インターハイ行けなかった分、残された選手権やリーグ戦でやるしかないと思います」ときっぱり。すでに切り替えて戦う大西について、本田裕一郎監督や1年生チームから指導する齋藤礼音コーチは気持ちの部分で強くなってきたこと、集中力が持続できるようになってきたことを認める。攻守両面で決定的な仕事をすることのできるその力は、今年の流経大柏の中で間違いなくトップレベル。そのMFは、後半になっても集中力を落とさずに、セカンドボールの拾い合いやミス無くボールを繋ぐ部分などで、貢献する時間を増えせているようだ。

 リーダーの一人としても自覚が増してきている。大西は「インターハイだったら渡會(武蔵)とか、(怪我で)出ていなかったけれど八木もチーム引っ張っていたので、引っ張ってもらうだけじゃなくて乗っかって一緒にやって行きたい」と誓う。身体能力と技術力も備えた注目株が、これから1試合でも多くチームの勝利に貢献し、より自信をつけて万全の状態で目標の選手権を迎える。

(取材・文 吉田太郎)
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