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「コパのレベルを基準に」ユニバ代表FW上田綺世が2発、周囲の雑音を意に介さず

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コパ・アメリカで日本代表を経験した上田綺世が2得点の活躍をみせた

[7.5 ユニバーシアード大会 日本3-0アルゼンチン]

 ナポリで開催されている第30回ユニバーシアード競技大会で連覇を目指す日本男子代表。初戦の固さと南米チーム特有のラフプレーに苦しめられるチームを救ったのは、やはりエースのFW上田綺世(法政大3年/鹿島内定)だった。

 6月下旬までコパ・アメリカに参加していた上田は国内合宿には不参加で、ブラジルから直接イタリア入り。チームとは選手村で合流した。「チームメイトとは分かり合っているので問題はない」との言葉どおり、先制点は主将・FW旗手怜央(順天堂大4年/川崎F内定)とのあうんの呼吸から生まれた。

 右サイドでパスを受けた旗手は「パスが強すぎてシュートは難しい。でも中に綺世がいるような気がした」と、逆サイドに浮き玉のパス。上田の姿を確認したわけではなかったが、そこには読みどおり上田が走り込んでいた。「いいボールがきたので合わせるだけ」と、上田がヘディングを叩き込み先制ゴール。さらに後半には直接フリーキックを沈めて追加点。「少し距離があって、自分としては蹴りやすい位置」からの会心の一撃だった。

 コパ・アメリカでは初のA代表を経験。チャンスシーンに決められず、大会後にはグループステージ敗退の“戦犯”扱いされることもあった。しかし上田自身は「コパ・アメリカとこの大会を繋げて考えてはいない。自分としては、コパでダメだったからユニバで取り返そうというつもりもない」ときっぱり。「今はこのナポリで、大学生チームとしてユニバで優勝することが大切」と切り替えている。

 とはいえ、コパ・アメリカでの経験は着実に自身の中に「上書きされている」という。「単純に相手のフィジカルが強いとかではなく、ほんの僅かなタイミングや、何手先を読めるかといった部分」での気づきもあった。「あの雰囲気とスピード、感覚を味わったからこそ、今日活躍できた部分はある。自分の今後のキャリアを考えた時、コパのレベルを基準とすることは、絶対に必要になると思う」。

 この試合では立ち上がりからマンツーマンのマークを受けながらも「絶対に隙きはあるはず。前半は相手DFの癖を観察しながら、その隙きを狙っていた」としたたかな駆け引きも見せた。もとよりゴール前での動き出しには定評があったが、それだけではない存在感でアルゼンチンDFをねじ伏せた。コパでの結果をポジティブに捉え、自分の中に落とし込んだこそのプレーだろう。

「優勝するためには一戦一勝、チーム一丸となって戦うだけ」

 有言実行のストライカー・上田綺世は、周囲の雑音を意に介さず、ひたすらゴールとその先にある“ユニバーシアード優勝”を目指す。

(取材・文 飯嶋玲子)

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