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相手の動きを把握して突破、ラストパス。U-17日本代表MF山内が“神戸の先輩のような”ビッグプレー

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前半8分、U-17日本代表MF山内翔(神戸U-18)が鮮やかなドリブル突破から2点目をアシスト

[7.14 国際ユースin新潟第2節 U-17ボスニア・ヘルツェゴビナ代表 0-3 U-17日本代表 新発田市五十公野公園陸上競技場]

 まるで、“師匠”イニエスタのようなプレーだった。U-17日本代表は1-0の前半8分、FW武内翠寿(名古屋U-18)のゴールで2-0とU-17ボスニア・ヘルツェゴビナ代表を突き放す。そのゴールを演出したのが、MF山内翔(神戸U-18)だ。

 世代を代表するゲームメーカーは左中間でボールを持つと、距離感の悪い相手の間をスルスルとドリブルで持ち上がり、3人を引きつけて平行線上にいた武内へラストパス。身体をいっぱいに伸ばした武内が右足で合わせ、追加点が生まれた。
 
 ドリブルしながら相手DFの位置、身体の向きを把握して通したラストパス。山内は「パススピードがそんなに強くなくても、1タッチで打てるくらいのスピードとちょうど右足に届くくらいのパスが出せたと思います」。その前のドリブル含めて記者陣から「イニエスタぽい」という声もあったほどのビッグプレーだった。

 神戸には、山内にとって“お手本”の元スペイン代表MFイニエスタがいる。「身近にああいう選手がいる。見ているだけでこうなったらいいなと。ああいう素晴らしい選手がいるのは、素晴らしいことだなと思います」と環境に感謝。山内は神戸で磨いてきたスキルの高さと冷静に相手を見る力をU-17日本代表の中で発揮し、この日カウンターを個で阻止していたように守備でもチームに貢献する意気込みだ。

「ボール触ったり、最後のところでのスルーパスとか攻撃面での貢献と、チームが苦しい時の守備の貢献を意識してやっています。チームが上手く行くことを優先しながら、自分の得意なプレーを出していくことによって(森山佳郎)監督にアピールする」。

 今月11日にU-17ワールドカップの組み合わせが決定。オランダ、アメリカ、セネガルと対戦することが決まった。山内は「“死の組“と言われていますけれども、どうせやるなら強いチームとやりたいですし、凄く楽しみです」。世界一の経験を持つ選手たちを身近に感じながら個を伸ばしているMFが、まずは自分も世界で戦うチャンスを掴むことに集中する。

(取材・文 吉田太郎)

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