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“誤審ゴール”の経緯が判明…検証番組が放送スタート、2つの“誤報”にも言及

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主審を囲む両チームの選手たち

 13日に行われたJ1第19節の横浜F・マリノス浦和レッズ戦で起きた二転三転の末の誤審騒動に関して、日本サッカー協会(JFA)審判委員会の上川徹氏がインターネット番組『Jリーグジャッジリプレイ』に出演し、経緯を説明した。同番組は16日から『DAZN』で放送が始まっている。

 問題の場面は後半14分、横浜FMはFWエジガル・ジュニオとのワンツーからFW遠藤渓太が左サイドを駆け上がると、ペナルティエリア内から右足でシュート。このボールがゴール前に走り込んでいたFW仲川輝人に直撃し、そのままゴールネットを揺らす形となった。

 仲川は明らかにオフサイドポジションにいたが、一度はゴールが認められた。しかし、インカムを通じて連絡を取り合った審判員は一転、オフサイドを宣告。ところが不自然な中断があった後、再びゴールを認めるという結論に至り、二転三転したにもかかわらず誤った判定が導き出されていた。

 番組で焦点が当てられたのは主に以下の3つだ。

①なぜ最初からオフサイドが取られなかったのか。
②なぜ一度はオフサイドに訂正されたのか。
③なぜ最終的にゴールが認められたのか。

 まず①は「仲川がプレーに干渉したか」が争点だが、浦和MF宇賀神友弥がマークについていたため、最後にボールに触れた選手を審判団が目視できていなかったという。その結果、宇賀神のオウンゴールという判断に至り、オフサイドポジションにいたはずの仲川はプレーに関わっていないという結論が導き出されたようだ。

 すると次の争点は②。ゴールが認められたかと思いきや、浦和の間接FKから試合が再開されようとしたことだ。上川氏はこの原因を「彼ら(審判団)が見たわけではなく、運営からの情報をもらっていた」と指摘。運営側が公式記録を逐次更新しているが、仲川のゴールという暫定的な情報が審判団に伝わり、①の決定が覆されていたようだ。

 ところが競技規則上、審判員は第三者からの情報を元に判定を出すことは認められていない。そこでたどり着いた結論が③だ。仲川がゴールを決めたのであればオフサイドが取られるべきだが、審判団は「その情報を元に判定を下すのは違う」(上川氏)と規則に基づき判断。その結果、誤っていると分かりながらもゴールの判定を導き出すしかなくなったようだ。

 なお、この試合の終了後には誤審自体が大きな議論を呼んだだけでなく、“二転三転”の経緯が運営側から明かされなかったこともあり、真偽不明の報道も出ていた。主なものは「主審が監督・選手への説明時に『(判定は)運営が決める』と発言した」「中断中に交代が行われたために判定を訂正できなかった」の2点だ。

 番組では以上の“誤報”についても経緯が明かされた。

 まず「運営が決める」発言は「運営の情報を元にオフサイドの反則を取ったが、それはできない。われわれの情報をもとにゴールを認める」(上川氏)という主旨の説明だった模様。「運営が決める」のは最終的な判定ではなく、暫定的な得点者の情報であったことが明かされた。

 また交代の扱いは競技規則にもあるとおり、プレーの再開にはあたらない。そのため上川氏は「次のプレーが再開されるまでは判定を変更できるので、交代があっても判定を変えることはできるということに競技規則はなっている。交代は関係ない」と断じた。なおルール上は、次のプレーが再開されるまでは一度行おうとした交代をキャンセルすることもできる。

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