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MF成岡「自分は、ゴールが一番の課題」。U-17日本代表は攻撃の流動性、決める力向上へ

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U-17日本代表たMF成岡輝瑠(清水ユース)がDF2人を振り切ってゴール前へ

[7.15 国際ユースin新潟第3節 U-17新潟選抜 0-1 U-17日本代表 デンカS]

 U-17日本代表は国際ユースin新潟の3試合で5得点。だが、1タッチ、2タッチのトレーニングを重ねてきた中で、個々の距離間が遠かったり、ボールを持ちすぎる選手がいてテンポが上がらなかったり、ゴール前での質を欠いてしまう部分もあるなど満足の行く攻撃ができず、不満の結果となった。

 U-17新潟選抜と対戦した最終節も、前半は打倒・U-17日本代表に燃える相手の前に受けに回ってしまう時間帯があった。試合終了間際にFW武内翠寿(名古屋U-18)が決めた一撃がVAR判定によって取り消されたこともあって1-0の辛勝。この日、4-3-3システムの2シャドーの一角として先発したMF成岡輝瑠(清水ユース)は「もっとチームとして関わりを増やして、ワンタッチ、ツータッチでテンポよく回していければ、もっと自分たちの時間も増えると思いますし、今日みたいなゲームでも飲み込まれずに主導権を握ってできると思うので、もっとチームとして全体が流動的にできるようになることが課題かなと思います」と指摘していた。

 U-17ワールドカップ(10月開幕、ブラジル)では、AFC U-16選手権MVPのFW西川潤(桐光学園高、C大阪内定)やFW若月大和(桐光学園高、湘南内定)という強力ストライカーが加わる模様。彼らの個の力がプラスアルファをもたらす期待感がある。ただし、今回の国際ユースin新潟は再三の決定機を作りながら、それを活かせなかっただけに、森山佳郎監督は「できるだけ良いボールを配球したり、決定機を多く。決定機をたくさん作っても入れないので、僕らができることは決定機を(より)たくさん作って、ゴール前でGKと2対1、3対1のシーンを作ること」と求めていた。

 成岡はU-17メキシコ代表との初戦でダブルボランチの一角として先発。相手のプレッシャーにも動じずに逆を取りながらボールを運んでいたことが印象的だった。加えて豊富な運動量と切り替えの速さは大きな特長。新潟戦では廣山望コーチからの指摘で左右に動き回ろうとしていたが、なかなか停滞したチームに流れを生むことができず、試合後も悔しがっていた。

 もっと活躍できる力があることは間違いないが、そのためにはゴール前でより決定的な仕事をすることが必要。この日も鮮やかな2人抜きなど技術の高さを印象づけた一方、今大会無得点に終わった成岡は「まずは、アシストより自分が(ゴールを)決めたい。チャンスだったらどんどん出ていってゴールをと狙っていたんですけど。ゴール前で仕事ができる選手じゃないと、生き残っていけないと思うので、繋ぎ役も良いですけど、試合を決められる選手になれたらなと思っています」と力を込める。

 もちろん、そのためのトレーニングは重ねている。「シュートもFWに混じってやっていましたし、それと中盤の選手と一緒にミドルシュートの練習もしてきたんですけど、もっと積極的にゴールを狙えば良かったなと今、思います」。シュートを打つためのドリブル、ファーストタッチをすることも必要だ。本人は「自分は、ゴールが一番の課題」と自覚。U-17ワールドカップで「攻撃が課題」と言わせないためにも、チームを助けるためにも王国・清水の注目MFが決める力を磨く。

(取材・文 吉田太郎)

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