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憲剛、世界との差を痛感も「フロンターレがまた伸びると思った」

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川崎フロンターレMF中村憲剛

[7.19 Jワールドチャレンジ2019 川崎F1-0チェルシー 日産ス]

 与えられた時間は7分だった。しかし、後半38分からピッチに送り込まれた川崎フロンターレMF中村憲剛は、そのわずかな時間で試合を決定付ける大仕事をやってのけた。

 投入されて4分後の後半42分だった。CKの好機を得ると、「セットプレーでショートができる雰囲気があった」とCKキッカーのMF脇坂泰斗に近付きパスを呼び込んでリターンパス。脇坂のクロスはニアサイドで引っかかったものの、こぼれ球に中村が反応する。

「陣形は崩れていたしファーは空いていると思った。低いのや中途半端な高さのボールは引っかかっていたので思い切って上げた」と滞空時間の長いクロスをファーサイドへと届けると、フリーで走り込んだFWレアンドロ・ダミアンが豪快にヘディングで叩き込んで決勝点となるゴールが生まれた。1-0の勝利へと導き、「わずかな時間だったけど、自分がやるべきことをやる。それがうまくいったケースだと思う」と胸を張った。

 しかし、イングランドの強豪クラブであるチェルシーから収めた勝利も、「誇張するような勝利ではない」と表情を引き締める。それは、前半に力の差を感じたからだ――。特に感じたのは「止めて蹴る」ことと「パススピード」の差で、しっかり止めて蹴ることができるからこそ、チェルシーは「ポジショニングにも無駄がなかった」。前半はベンチから戦況を見守っていた中村は、「向こうよりも止めて蹴るができないと戦えない」ことを実感したようだ。

 4年前のプレシーズンマッチでドルトムントと対戦した際には0-6の完敗を喫した。当時も世界との差を痛感したが、「それで僕たちは前に進んだところがあって、それが去年、一昨年(のJ1リーグ制覇)につながっている」と新たな刺激を受けたチームは進化を遂げて結果へと結び付けた。

「(チェルシー戦の勝利は)誇張するような勝利ではないと思うけど、小さくない勝利だと僕は思う。自分たちがもっとやらないとダメだよねと思うには十分過ぎる試合だった。若い選手がどう感じて、どう進んでいくかが大事」。この試合で感じた世界との差も、「色々な選手の刺激になって、フロンターレがまた伸びるのかなと思った」と4年前同様にチームをより成長させるきっかけとしたいところだ。

(取材・文 折戸岳彦)
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