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“負けられない理由”を胸に闘う鳥栖U-18、初出場水戸ユースに盤石の2発完封勝利

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先制点が決まって喜ぶサガン鳥栖U-18の選手たち

[7.21 日本クラブユース選手権U-18大会H組第1節 鳥栖U-18 2-0 水戸ユース 宮城総合]

 日本クラブユース選手権(U-18)大会が21日、群馬県内で開幕した。宮城総合運動場の第2試合では、前回ベスト8のサガン鳥栖U-18(九州2)が初出場の水戸ホーリーホックユース(関東11)に2-0で勝利。高円宮杯プリンスリーグ九州を9勝1分で独走している強さを全国の舞台でも見せつけた。

 試合はアンカーのMF藤枝伶央(3年)を中心にボールを回す水戸に対し、中盤で引き込む狙いを持つ鳥栖が待ち構えるという構図。前半6分、左サイドを深く攻め上がったFW相良竜之介(2年)のクロスに合わせたFW秀島悠太(3年)のヘッドはGK菊池柊太(3年)に阻まれたが、徐々に鳥栖が主導権を握っていく。

 すると前半10分、早々にスコアが動いた。水戸は右サイド裏に抜けた秀島をフリーにしてしまうと、マイナス方向への折り返しに対応できず。このパスを受けたFW兒玉澪王斗(2年)が落ち着いてネットに流し込んだ。主将のMF本田風智(3年)も「早めに点を取れたことがチームを楽にできた」と振り返る大きな先制点だった。

 対する水戸は「もっとガツガツくると思っていた」(樹森大介監督)と、出方を伺って攻めてくる鳥栖に苦しむ時間帯が続く。「プレッシャーに関しての剥がし方、回避の仕方というトレーニングは年間を通して、3年生は3年間やっているのでストレスはない」というパス回しはスムーズに進むも、危険なエリアに侵入できなかった。

 すなわち、ボール保持率とは無関係に鳥栖ペース。そうして迎えた前半31分、水戸は不用意な形から自陣右サイドの深い位置で鳥栖にFKを与えてしまう。鳥栖のキッカーはMF西田結平(3年)。ニアサイドにインスイングのボールを力強く蹴りこむと、これに本田がドンピシャのヘディングで合わせ、鳥栖の2点リードでハーフタイムを迎えた。

 水戸は前半終了後、選手たちからはポジティブな声かけが行われていたという。指揮官は「出足のところ、判断のところ、球際のところでちょっと一歩が遅かった部分も入りはあった。ただ、選手たちからは『全然やれるよ!いつも通りだよ!』と。僕も送り出しましたし、選手もそういう気持ちで挑んでくれたと思います」と振り返る。

 一方、鳥栖にとっても水戸の出方は想定の範囲内だった。「ビデオミーティングはしていたので、ああいう繋いでくるサッカーをしてくるのは知っていた」という本田主将は「相手が入りから繋いでくるチームだったので、受け身になったというよりは自分たちが回させていた。自分たちの考えでああいう形をとった」と明かした。

 そうして入った後半も戦況は変わらず。鳥栖は後半開始時、秀島に代わって185cmの上背を持つFW田中禅(2年)を投入することで、相手のプレスに対する逃げ場を用意。すると同3分には、最後は菊池のビッグセーブに阻まれたものの、相良とMF盧泰曄(3年)が立て続けに決定機を迎え、ダメ押しゴールへの脅威も見せた。

 水戸は後半9分、最初の交代カードでDF長谷川紫陽(1年)を入れると、同12分にはMF甲高柊汰(3年)が左足でゴールを狙うが、シュートは相手守備陣がブロック。その後はMF呼子隼人(2年)、FW吉信来(1年)らを投入するもゴールが遠く、初出場の開幕戦は黒星に終わった。

 試合前、鳥栖の田中智宗監督は選手たちに「九州勢が勝ち点をしっかりとっているから、自分たちも負けずにいつも通り戦って勝ち点を取ろう」と発破をかけていたという。今大会の九州代表枠は『4』。他の3チームは第1試合を戦い、福岡U-18と大分U-18がそれぞれ勝利。長崎U-18も引き分けており、刺激を受けていたようだ。

 また、鳥栖にとってはもう一つ負けられない理由があった。昨季途中まで指揮を執っていた金明輝監督がトップチームに移り、主将を務めるはずだった高校3年世代のMF松岡大起が一足早くJリーグで活躍中。またシーズンオフには家庭の事情により有望選手が高体連チームに移るなど、高校年代では珍しいほどの人材移動があったのだ。

「誰かがいなくなったから弱くなったねとか、周りから思われたくない。今いるメンバーで結果を残して、誰かがいなくなっても強いと思われたい。それはみんな常に思っている」(本田)。今大会、全員で決めたという目標は昨季の過去最高成績を上回るベスト4。九州のハードワーク集団は己と戦い、さらなる高みを目指す。

(取材・文 竹内達也)
●第43回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会

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