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「命どぅ宝」。選手宣誓の那覇西CB仲程主将は大好きなサッカーができることに感謝し、チームで全国8強に挑戦

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那覇西高CB仲程飛雄主将(左)が堂々の選手宣誓。(写真協力=高校サッカー年鑑)

 大好きなサッカーができることに感謝し、チームでベスト8に挑戦する――。夏の高校サッカー日本一を争う令和元年度全国高校総体(インターハイ)「感動は無限大 南部九州総体2019」男子サッカー競技(沖縄)の開会式が25日、沖縄県国頭郡の金武町立中央公民館で行われた。開会式には出場52校の代表選手たちが出席。開催地である沖縄県第1代表の那覇西高CB仲程飛雄主将(3年)が選手宣誓を行った。

「宣誓 平成から令和に年号が変わり、新しい時代が幕を開けました。令和最初の全国高校総体サッカー競技がこの沖縄県で開催され、選手として出場できることを誇りに思います。74年前、唯一地上戦が繰り広げられたここ沖縄では、多くの住民と若い命が犠牲になりました。『命どぅ宝(ぬちどぅたから)』。これは沖縄の方言で『命こそ宝』という意味です。生き延びた命を受け継ぎ、今、私たちは当たり前の生活を毎日過ごし、大好きなサッカーができているということに感謝の思いを新たにしたいと思います。
 本大会を地元・沖縄県で開催される喜びと、携わる関係者への感謝の気持ちを忘れず、スポーツマンシップにのっとり、正々堂々とプレーすることを誓います」

 堂々と選手宣誓をやり遂げた仲程主将は開会式終了後、「ホッとしました」と第一声。例年、インターハイは開催地第1代表の主将が選手宣誓を行ってきたが、「今年は無い」と伝わっていたとのことで準備していなかったのだという。だが、一昨日に選手宣誓の通達が入り、一日で急遽宣誓文を考案し、練習。見事な宣誓だった。

 仲程は「まずは地元・沖縄で大会ができる喜びと、少しでも沖縄を盛り上げるということを伝えたかったですし、もう一つはサッカーができているということは当たり前ではないということを。74年前の(太平洋戦争の)沖縄戦から、自分たちは何も分からない世代ですけれども、サッカーができることは当たり前ではないということを伝えたかったです」と説明する。インターハイ出場校の選手、関係者に「命どぅ宝」、大好きなサッカーができることへの感謝を伝えた主将は、試合でも感謝の念を持って、全力でプレーをする意気込みだ。

 那覇西は今回、2回戦から登場。北越高(新潟)と新田高(愛媛)の勝者と初戦を戦う。相手はいずれも力のあるチームだが、昨年度の選手権開幕戦で東京都代表の駒澤大高を撃破している那覇西は、自分たちの戦い方に手応えも感じている。

 仲程は「粘り強い守備からゲームをつくって、自分たちは下から、ポゼッションサッカーということを徹底してやってきているので、その自分たちの強さを出せれば結果は自ずとついてくると思います」。対人と空中戦の強さに自信を持つ仲程や、選手権で活躍したGK新垣凱斗(3年)を中心とした粘り強い守備から、MF伊佐航平(3年)らが丁寧にボールを繋いで勝負。ひたむきに自分たちのやるべきことをやり抜いて、目標に掲げている全国ベスト8に挑戦する。

(取材・文 吉田太郎)
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