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U-17代表MF荒木は負傷でインハイ欠場。仲間たちの活躍に期待し、自身は「選手権でヒガシを日本一に」

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東福岡高のU-17日本代表MF荒木遼太郎主将(左端)はインハイ欠場。仲間たちに日本一の夢を託した

 インターハイの主役候補だったMFは今夏、チームを全力でサポートする――。東福岡高(福岡)のU-17日本代表MF荒木遼太郎主将(3年)は、令和元年度全国高校総体(インターハイ)「感動は無限大 南部九州総体2019」男子サッカー競技(7月26日~8月2日、沖縄)の大会ナンバー1ボランチと言える存在だったが、プレミアリーグWESTのC大阪U-18戦(7月13日)で足を負傷。ドクターの判断でインターハイ本大会を欠場することになった。

 名門・東福岡で昨年から主軸を担う荒木は、判断力の高さと高精度のキックに注目のMF。タレント揃いの東福岡の中でも、練習から一段階上のプレーをする逸材だ。加えて今年、トップ下からボランチに転向したことによって守備力も高めてきた。東福岡は荒木の活躍もあって直近のプレミアリーグWESTで神戸U-18、C大阪U-18に連勝。インターハイで4年ぶりの日本一を目指すチームは好調だったが、痛すぎる大黒柱の離脱となった。

 インターハイ初戦の対戦相手は静岡の強豪、清水桜が丘高。勝てば、2回戦で前回大会準優勝校の桐光学園高(神奈川1)と対戦する組み合わせとなっている。桐光学園のFW西川潤主将(3年)は荒木にとって、U-17日本代表のチームメートであり、負けられない存在。「潤と対決して止めたい」と語るなど、西川との「ライバル対決」を楽しみにしていただけに本人のショックも大きかった。

 だが、主将はすでに切り替えている。幸い怪我は手術が必要なものではなく、入院せずに復帰を目指すことになった。今回のインターハイは本人の希望もあって、森重潤也監督は「精神的支柱という部分もあるので、(沖縄へ)連れて行こう」と決断。荒木は裏方の立場から、チームに良い影響を与えようとしている。

 全国大会欠場が決まった直後、「マル(DF丸山海大、3年)とか一番に『自分らが良い結果残すから、しっかりとサポート頼む』とか、そういう声がけをしてくれた」という。今回はチームメートに日本一への思いを託し、自身はサポート役を全うする考え。「キャプテンということもあるんですけれども、みんなを近くでサポートして自分のできることを最大限にやって行きたい」と力を込めた。

 25日のインターハイ開会式は、サポートメンバーの選手たちが出席していたチームがほとんどだったが、荒木も東福岡のチームメート3名とともに出席。全国の強豪との戦いを控えるチームメートたちには、「ヴィッセル戦、セレッソ戦からそうなんですけれども、攻守の切り替えだったり、守備を徹底してすることで勝ち続けるようになったので、今回みんなには頑張ってもらって、一つでも多く勝ってもらって優勝まで行ってもらえるように」と期待した。

 自身も目標を持ってリハビリをスタートしている。「今回、インハイに出れないことは非常に悔しいんですけれども、次の代表活動であったり、選手権ではもう一回、自分のプレーを見せつけて、選手権ではヒガシを日本一に導けるように、リハビリから頑張っていきたいと思っています」。10月開幕のU-17ワールドカップ、そして選手権で活躍し、勝利に貢献するために、この“我慢の時間”も必ず糧にする。

(取材・文 吉田太郎)
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