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気温32.2度のビッグマッチ、プレミア首位の「理由」を証明した青森山田がプラン通りの無失点勝利

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青森山田高が堅守でビッグマッチを制した。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[7.26 総体1回戦 青森山田高 2-0 前橋育英高 金武町フ]

 1回戦のビッグマッチは青森山田が制す! 夏の高校サッカー日本一を争う令和元年度全国高校総体(インターハイ)「感動は無限大 南部九州総体2019」男子サッカー競技(沖縄)が26日、開幕した。1回戦の最注目カード、18年度選手権優勝の青森山田高(青森)と17年度選手権優勝の前橋育英高(群馬)との注目カードは、青森山田が2-0で勝った。青森山田は27日の2回戦で大津高(熊本)と戦う。

 V候補対決は、プレミアリーグEASTで無敗首位を快走中の青森山田が先制する。前半2分、左サイド後方から蹴り込まれたFK後の混戦から、U-18日本代表MF武田英寿主将(3年、浦和内定)が右サイドのスペースへ頭でパス。これをMF後藤健太(3年)が右足で豪快に決めた。

 武田が「『アップから』というのが、試合に繋がると思うので、(チーム全員が)共通理解でやれたと思います」と説明していたが、青森山田は常にウォーミングアップから大声を発し、隣で準備する相手を飲み込もうとする。この日も試合開始前からの声と、開始直後のロングスローなどで相手にプレッシャーをかけ、「出ている選手の責任として、ゴールで勢いに乗せられたのは嬉しい」という後藤のゴールによって幸先良くリードを奪った。

 青森山田は、競り合いの強さ、攻守のスピードの速さを活かして畳み掛けようとする。だが、前橋育英もCB松岡迅(3年)やMF渡邉綾平主将(3年)が球際で対抗。そして、互いに攻めきれない時間帯が続く中、相手のスピードに慣れた前橋育英が徐々にペースを掴んでいった。

 渡邉とMF櫻井辰徳(2年)の注目ダブルボランチから縦パスの入る回数が増加。くさびの1タッチパスの精度も高く、自分たちのリズムで試合を進めていく。パス交換から前方の選手を追い越したMF山岸楓樹(3年)の左足シュートが枠を捉え、32分にはパス交換から右サイドへ展開し、アーリークロスをFW中村草太(2年)が頭で合わせる。

 DFの頭に当たって跳ね上がったボールがGKの頭上を越えたが、クロスバーをヒット。青森山田は守備の対応が後手に回り、相手の攻撃をDFラインで凌ぐ時間が続いた。前橋育英は後半立ち上がりにも櫻井がFKを直接狙うと、10分にビッグチャンス。中盤でのボールの奪い合いから櫻井が右サイドへ展開し、中村のラストパスで右SB山田涼太(3年)が抜け出す。

 そして、GKをかわしながら右足シュートを放ったが、青森山田はトップ下の位置から戻った武田がスーパークリア。主将のビッグプレーでピンチを逃れた青森山田は、相手MF渡邉の左足シュートをGK佐藤史騎(3年)がファインセーブするなど、ゴール前で「さすが」の堅守を見せる。

 通れば1点というようなパスも数本あった。だが、青森山田の守りは最後まで崩れなかった。黒田剛監督が「凄い成長している。落ち着いてプレーしている」と評するU-17日本代表CB藤原優大(2年)をはじめ、相手のキーマンMF倉俣健(3年)を封じた右SB内田陽介(2年)、CB箱崎拓(3年)、左SB神田悠成(3年)の4バックのゴールを守ることへの執着心、ボールを奪い取る力は特に印象的。前橋育英の山田耕介監督も「最後のシュートブロックや守備が堅い。分かっていてもやり切ってくる。(セットプレーで得点を狙う攻撃含めて)徹底していると思った」と、相手の守備の堅さを認めていた。

 そして、青森山田は後半30分に投入されたMFタビナス・ポール(2年)が大仕事。黒田監督が100m走日本記録保持者のサニブラウン・アブデル・ハキームの名を出してそのスピードを表現する快足MFは、アディショナルタイムに右サイドから仕掛けてCKを獲得する。そして、右CKからファーサイドの箱崎が中央へ折り返すと、タビナスが高打点ヘッド。最後はゴール方向へ向かったボールを同じく交代出場のFW田中翔太(3年)が頭で押し込んで勝利を決定づけた。

 青森山田はプレミアリーグで確立してきた戦い方を最後まで貫いた。黒田監督は「ゼロで行けないような、自分たちのプラン崩れた時が一番危うい。コンディション的にも相当湿度があったり、自分でもサボりたいとか、走りたくないとか状況も出てくると思うけれども、その気持ちを一回飲み込んだものが、もう一回出てきて、さらにもう一回飲み込む覚悟をして、もう1回、その1m、2mを走ろうということでやっていた」。気温32.2度の暑さの中でも走り、守り抜いて勝利。後半終了間際でも強度の高いプレーを続けていたMF松木玖生(1年)やMF古宿理久(3年)、DFラインだけでなく、チーム全体が「高校年代最高峰のリーグ戦」で勝ち続けている「理由」を証明した青森山田が、最注目カードを制して2回戦へ駒を進めた。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2019

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