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[MOM2932]米子北DF岡田大和(3年)_主力不在も何のその!初戦に続き「岡田様様」の活躍

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米子北高CB岡田大和は完封勝利に貢献

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.27 総体2回戦 米子北高 1-0 長崎日大高 南城陸上]

 粘り強い守備からのカウンターが特徴の米子北高だが、7月のプリンスリーグ中国の試合でU-18日本代表のDF高橋祐翔(3年)が負傷。ルーキーだった昨年からゴールマウスを託されたGK長崎勇也(2年)も肩を脱臼し、登録メンバーから外れた。守備の再編を余儀なくされ、「ベストメンバーなら2つ、3つ勝てると想定していたけど、厳しい」と城市徳之総監督がこぼす状況。それでもトーナメントをしっかり勝ち上がれているのは、主将のDF岡田大和(3年)がいるからだ。

 高校入学時はFWだったが、178cmの身長とパンチのある左足を買われて、昨年の途中から左SBにコンバート。更に今大会は負傷した高橋の穴を埋めるための試行錯誤をする中で、岡田がCBに回った。過去にCBでプレーした経験は小学校の時に数回ほどしかなかったが、身体能力の高さはピカイチ。「昨日なんてスペシャルだった。岡田様様です」と中村真吾監督が称える通り、1回戦の関西大一高(大阪2)戦では要警戒人物として挙げていたFW百田真登(3年)とFW丹羽健佑(2年)に対する浮き球を尽くヘディングで競り勝った。「相手のFWは強力だったので絶対に勝とうと思っていた。自分のできることをやろうと思っていたのが良い方向に出た」と振り返る。

 迎えたこの日の長崎日大高戦(長崎)も好調さを持続する。SBからCBに移ったことで以前にも増してカバーリングの重要性が増したが、「元々はFWだったので、どこに来るか予測して先に消している」と相手よりも先にコースに入って、危ない場面を次々に消していく。貢献度は守備だけに留まらず、前半23分には自陣でボールを持つと、素早く相手DFの背後にロングボールを入れた。FW中田来輝(2年)よりも先に相手DFが競りに行ったが、前に出たGKと接触。こぼれ球を拾った中田が無人のゴールに流し込み、これが決勝点となった。事故的なゴールだったが、「クリアをパスにするのが考え方。あの辺に蹴っておけばFWが走ってくれる。チャンスになればそれで良い」と岡田は口にする。

 後半は同点ゴールを狙った長崎日大に押し込まれる場面が増えたが、「予測だったり、ポジショニングで勝ろうと思った。決定的な場面はそんなになかったので、やれているなと思っていた」と話すように、決定機を与えず、初戦に続く無失点勝利に貢献した。

 大会前の不安をかき消すかのような粘り強い勝ち上がりを見せているが、岡田にも選手にも浮かれた様子は見られず、平常心を保てている。「一番大きな目標は優勝だけど、自分たちはすぐ調子に乗ってしまうので、目の前の相手に絶対勝つつもりで試合に挑んでいる」と一戦必勝の精神で高みを目指す。

(取材・文 森田将義)
●【特設】高校総体2019

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