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大ブレイクの夏から1年。FW西川潤は桐光学園のために走り、昨年のように上げて行く

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桐光学園高のU-20日本代表FW西川潤主将。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[7.27 総体2回戦 清水桜が丘高 0-0(PK7-8)桐光学園高 金武町フ]
 
 昨年、大ブレイクのきっかけとなったインターハイ。2度目の挑戦となる夏舞台の初戦は、後半に仕掛ける回数やシュート数を増やしたものの、無得点に終わった。ただし、大事なことは勝利することであり、昨年も爆発したのは大会中盤からだった。それだけに、桐光学園高のU-20日本代表FW西川潤主将(3年、C大阪内定)は前向きだ。

「(去年は)1試合1試合良くなっていったという感覚があるので、そういう流れで今年もやっていけたらいい」。まだまだの初戦ではあったものの、逸材は優れたポジショニングと身のこなしでボールを受けたり、個でDFを振り切ってPAへ潜り込んだりするなど、その評価通りのプレーも幾度か見せた。

 昨年のインターハイでは、5人抜きのスーパーゴールや3試合連続ゴールを記録して準優勝に貢献。その後、AFC U-16選手権でU-16日本代表をアジア王者へ導き、大会MVPに選出された。冬の選手権こそ抜群の突破力を発揮しながら不発に終わったものの、今年2月にC大阪加入内定。ルヴァンカップでプロデビュー、J1デビューも果たし、5月には飛び級で選出されたU-20日本代表でU-20ワールドカップも経験した。

 今や海外の強豪クラブも注目する存在。ただし、C大阪やU-20日本代表で成長を重ねる一方で、桐光学園の一員として練習、試合に臨む機会は減少した。U-20ワールドカップ後はコンディションを取り戻す意味もあって桐光学園で過ごしてきたが、プロとは異なるチームメートとスピード、タイミングをよりアジャストしていかなければならない。

 この日、西川はタイミング良く動き出しているものの、出し手が把握できていなかったためか、ボールの入ってくる回数が少なかった印象だ。西川に対して厳しい評価をしていた鈴木勝大監督は「(まだ西川も、周囲も)お互いストレスを感じている。帳尻を合わせていくこと」と語り、西川も「味方と合わせていかないといけない」とコンビネーションの呼吸を合わせる考えを口にしていた。

 その上で前半から見せ続けていた1タッチパスの精度を上げ、反転からの仕掛けも増やしていく。何よりも目指すのは、チームの勝利。西川は「得点もそうですし、アシストも大事ですけれども、チームのために走ることにこだわっていけたらいい」。主将は技術よりも走ることでチームを牽引する構え。そして、「自分が(桐光学園に)いる間に優勝できれば良い」と思いを語る西川は、1年前のように大会中に状態を上げて桐光学園を初の日本一へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2019

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