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最後まで粘った富山一が阪南大高とのPK戦制し、2年連続のベスト8進出!

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(写真協力=高校サッカー年鑑)

[7.28 総体3回戦 阪南大高 0-0(PK3-5)富山一高 南城市陸上競技場]

 富山一高(富山)が苦しみながら阪南大高とのPK戦を制し、2年連続のベスト8進出を決めた。

 富山一は2013年度の第92回全国高校サッカー選手権大会を制し、プリンスリーグ北信越の前半戦を2位で折り返している強豪。しかし、阪南大高(大阪1)もプリンスリーグ関西の首位で、同等以上にレベルの高い相手だった。

 大塚一朗監督とともに富山一を指導する加納靖典コーチは、こう振り返る。
「本当に強い相手に、よく勝ちきってくれた。相手は1試合多いから立ち上がりが勝負だろうと思って、実際によく入れた。でも徐々に相手の攻撃力が目に焼き付いて、前に行けなくなってしまった」

 阪南大高は[4-3-3]の布陣で、センターフォワードの篠畑純也(3年)が攻撃の核として存在感を見せていた。

 富山一は5バックで相手の3トップを封じる策を採り、ボールを持つ選手に対して必ず「2対1」の数的優位を作る慎重な対応をしていた。だが、篠畑は複数のマークを背負った中でもボールを収め、強引に前を向いて仕掛けてくる。

 篠畑はこの試合で5本のシュートを放った。14分に決定的なボレーを放つと、その後も際どいプレーを連発。後半19分には30m近い距離から、ポストを直撃するミドルも放った。ただ「ぎりぎり」で枠や相手DFに嫌われ、こぼれ球に詰めている味方もいなかった。

 加納コーチはこう振り返る。
「最後まで粘る姿勢が、そういうのを生んでいるのかもしれない。そこが勝負のアヤだった気がします」

 終了間際の後半35分、富山一のベンチは一挙にフィールドプレイヤーを3枚交代する「勝負手」を打った。

 対する阪南大高も35+4分、GKを中本汐音(3年)からフューガルアポロ悟大(3年)に入れ替え、PK戦に備える。

 0-0で迎えたPK戦。阪南大高は一人目、二人目とキッカーが二人連続でチップキックを蹴る「余裕」を見せた。しかし、富山一のGK中村純四郎(3年)は二人目に対してギリギリまで動かず、プレッシャーをかけて失敗を誘う。

 先攻の富山一はMF高木俊希(3年)、DF真田滉大(3年)、MF碓井聖生(3年)、MF牧野奏太(3年)、DF吉藤廉(3年)の5人が冷静にシュートを決め、5-3でPK戦を制した。

(取材・文 大島和人)
●【特設】高校総体2019

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