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「何やってんねん!?」の1点目と“見事な”2点目。富山一のレフティー・真田が2ゴール演出

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富山一高DF真田滉大(右端)は先制点を演出した。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[7.30 総体準々決勝 徳島市立高 1-3 富山一高 金武町フットボールセンター]
 
 富山一高は今大会3試合連続無失点の徳島市立高相手に3ゴール。そのうち2得点は左WBのレフティー、真田滉大(3年)のプレースキックから生まれた。

 前半4分、真田が放った右CKは狙いのニアではなく、ファーサイドへ。だが、勢い良く直接ゴールへ向かったボールに、相手GKの対応が乱れる。そして、小さなクリアの落下地点にいたDF丸山以祐(3年)が頭で合わせると、ボールはゆっくりとゴールネットに吸い込まれた。
 
「『ニア蹴れ』って言っているんですけれども、ファーに蹴るんですよ。『何やってんねん!?』とツッコミ入れている時にGKがファンブルで入っちゃったんで……」と加納靖典コーチは苦笑いする。ゴールが入った瞬間も、ベンチから「何で入るん?」と驚きの声が上がっていたが、“結果オーライ”のキック。真田も「狙い通りではなかったですけれども、あの時間帯に決められて優位に展開できたので良かった」と前向きに捉えていた。

 その真田は前半40分、右CKを今度はニアのDF吉藤廉(3年)の頭にピタリと合わせて見事なアシスト。加納コーチが「あれが僕らのストロングの部分」と語るニアへの速いプレースキックと、飛び込む動きがリンクし、2-0とした。

 2点を“演出”した真田はサイドチェンジやクロスでも精度の高いキック。確かに1点目のキックはコースがずれてしまったが、自主練でFW鈴木崚加(3年)らを相手に蹴り込んできた成果を大舞台で発揮している。冷静な対応を見せていた守備も含めて存在感のある70分間だった。

 自分とは利き足が逆だが、ドイツ代表の右SBヨシュア・キミッヒの蹴り方、1タッチクロス、そしてドリブルの映像も見て参考にしているというレフティー。尚志高との準決勝へ向けて「楽しみ。まずは明日勝って決勝に進むために良い準備をしていきたい」と力を込めた。

 目標は全国制覇。「(今年は)個人で活躍してやろうというよりも、チームで働いたり、頑張ったりする選手がここに来ていない人も多い気がする。その一体感が良いと思います」というチームのために、準決勝、決勝でより得点に絡むことを目指す。
 

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2019

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