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「一歩でも多く、一歩でも速く」実践の桐光学園、西川劇的V弾で2年連続のファイナルへ!

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後半アディショナルタイム、桐光学園高FW西川潤が劇的な決勝ゴール! (写真協力=高校サッカー年鑑)

[7.31 総体準決勝 京都橘高 0-1 桐光学園高 黄金森公園陸上競技場]
 
 桐光学園が2年連続で決勝進出! 令和元年度全国高校総体(インターハイ)「感動は無限大 南部九州総体2019」男子サッカー競技(沖縄)は31日、準決勝を行った。初の決勝進出を狙う京都橘高(京都)と前回大会準優勝校・桐光学園高(神奈川1)との一戦は、後半アディショナルタイムにU-20日本代表FW西川潤主将(3年、C大阪内定)が決めた決勝点によって、桐光学園が1-0で勝利。2年連続の決勝進出を決めた桐光学園は、8月1日の決勝で初優勝を懸けて富山一高(富山)と戦う。

 今年の近畿大会王者・京都橘と注目FW西川擁する桐光学園。注目校同士による大一番は、桐光学園が制した。試合は立ち上がりからテンションの高い攻防戦に。桐光学園は西川が一人で持ち込んで左足を振り抜き、左の快足WB佐々木ムライヨセフ(3年)のクロスからMF神田洸樹(3年)がシュートへ持ち込む。

 一方、京都橘はFW梅村脩斗(3年)、FW梅津倖風(3年)、そしてU-17日本代表のFW西野太陽(2年)の3トップによるスペースへの抜け出し、ショートコンビネーションなどで桐光学園を押し込む。8分には左WB高木大輝(3年)の右CKからDF藤橋怜士(3年)が決定的なヘッド。これはGK北村公平(2年)に止められたが、その後も梅村の強烈なシュートなどで桐光学園ゴールを脅かした。

 セカンドボールをMF佐藤陽太主将(3年)やMF志知遼大(3年)が拾って正確に繋ぐ京都橘が攻撃時間を増やす。左の注目WB高木、右WB湊麟太郎(3年)の縦突破を含めて次々と攻撃を仕掛けるなど、連続攻撃で相手にプレッシャーをかけた。

 だが、桐光学園は空中戦で強さを発揮するDF奈良坂巧(2年)、安久レオナルド高貴(3年)、荒井ジュリアン海都(2年)の3バックやMF中村洸太(3年)中心に跳ね返して0-0を継続。前半17分頃のクーリングブレイク時には選手間から「良く耐えたぞ!良く耐えたぞ!」という声が上がっていた。

 桐光学園の鈴木勝大監督は「(初めから飛ばして)70分持つかなと不安だったんですけれども、先に(自分たちが)ちょっと落ちて。でも、後ろとGKがよく踏ん張ってくれたと思います」と頷く。連日30度を越える中、ともに5日間で4試合目。しかも会場は真夏の沖縄だ。鈴木監督は、「この大会はどこかで絶対に落ちる場面があるので、そこで一皮剥けるためにも『相手よりも一歩でも多く、一歩でも速く』を選手たちに求めています」という。鈴木監督が国士舘大時代に恩師・大澤英雄氏(現理事長)から学んだ教え。3年生はもっと「上げていかなければならない」と指揮官は厳しいが、こだわってきたものが苦しい時間帯で耐える力になった。

 桐光学園はクーリングブレイク後に速攻、カウンターから西川やFWラナイメアー祈安(3年)が抜け出してチャンス。MF神田洸樹(3年)のクロスなどから決定機も作ったが、西川のシュートが京都橘GK中村青(2年)の正面を突いたり、枠を外れるなど先制することができない。

 対して、サイド、中央から仕掛けて攻撃を終える京都橘の攻勢は落ちない。前半25分頃には4連続CK。だが、桐光学園は奈良坂や北村、荒井、右WB前川壮太(2年)と「ファイターが多い」(鈴木監督)という2年生たちが大声で引き締め、3年生たちとともに身体を張って無失点でハーフタイムを迎える。

 後半、ゲームは膠着する。桐光学園は中村の右クロスのこぼれを佐々木が左足で叩くが枠外。一方の京都橘は球際、ボールコントロールの部分で抜群の存在感を放つ佐藤の左FKから、藤橋の放ったヘディングシュートがゴールを破るが、オフサイドの判定で先制することができない。高い位置での奪い返しからラストパス、シュートまで持ち込んだ京都橘だったが、ゴール前でスカイブルーの壁を作った桐光学園の前にシュート判断がわずか遅れたり、精度が乱れてしまう。

 31分にはDF松本永遠(3年)の右足ミドルが枠を捉えたが、桐光学園GK北村が横っ飛びでセーブ。終盤は桐光学園が西川、交代出場MF所新太郎(3年)によるカウンターや、MF岩根裕哉(1年)のCKからゴール前のシーンを増やした。京都橘守備陣もDF金沢一矢(2年)や藤橋、佐藤を中心によく踏ん張っていたが、アディショナルタイム突入後の40分、桐光学園がついにスコアを動かす。

 桐光学園は北村のスローから素早い攻撃。左サイドでボールを受けた神田が前方に配球する。そして、攻め残っていた佐々木が、DFの股間を通すドリブルで一気にゴール前へ。シュートを打ち切ることはできなかったが、「ヨセフ!」と右後方で要求した西川へラストパスを通す。これを西川が左足でゴールに沈めて決勝点。西川の2試合連続となる劇的な決勝点によって桐光学園が決勝進出を決めた。

 西川は「率直な心境はホッとしているというか、難しい試合でしたけれども、全員で守って走りきることができたので嬉しいです」と語り、「去年決勝で負けて悔しい思いをしている。ここで満足せずに次勝って全員で喜べるようにやっていきたい」と力を込めた。昨年、あと1勝で逃した舞台まで再び勝ち上がってきた神奈川の雄。2年越しの思いをぶつけて、今年こそ頂点に立つ。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2019

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