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[MOM2943]桐光学園FW西川潤(3年)_2試合連続で後半ATに決勝弾!C大阪内定の「役者」がリベンジの舞台へ

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桐光学園高のU-20日本代表FW西川潤主将は後半アディショナルタイムに決勝ゴール。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.31 総体準決勝 京都橘高 0-1 桐光学園高 黄金森公園陸上競技場]
 
 自らの一撃で雪辱の舞台への切符を勝ち取った。桐光学園高は0-0で迎えた後半アディショナルタイム、U-20日本代表FW西川潤主将(3年、C大阪内定)が左足で決勝ゴール。この日、前半からチャンスがありながら決めることができていなかったが、最注目FWが最後の最後で決めた。

 桐光学園はGK北村公平(2年)から素早く攻撃に転じると、左サイドでMF神田洸樹(3年)からのパスを受けた左WB佐々木ムライヨセフ(3年)が、DFの股を通すドリブルからラストパス。これを「上手く中に入っていれば来るだろうなという感覚があった」と振り返る西川が左足ダイレクトで決めた。

 ゴールを確認すると、普段冷静沈着なレフティーが大興奮の表情で佐々木と抱擁。そして、駆け寄ってきた味方の選手たちの祝福を受けていた。前半には1対1やクロスからのシュートなど決定機があったが、「ちょっと力みすぎたところがあった」。当然、自分で取り戻したいという気持ちを持っていたが、それを外には見せず、冷静に1チャンスを狙い続けて仕留めた。

「得点を獲りたいという意識を抑えてというか、工夫しながらやっていました。(ピンチも多く)ハラハラしながら、失点しそうな場面でも身体を張って全員で守ってくれた」という西川は、仲間たちに感謝の決勝ゴール。10番への要求の高い鈴木勝大監督も「最後決めるのは役者かな」と微笑んでいた。

 今年は特別指定されたC大阪、U-20日本代表の活動などによってチームに合流する時間が短かった。主将として悩みながらのシーズンでもあったが、練習に合流すれば誰よりも意識高くトレーニングし、試合でも背中でチームを牽引。後輩のCB奈良坂巧(2年)は「頼もしい先輩ですし、キツイ時に必ず声をかけてくれますし、チームの流れが悪い時に背中で引っ張ってくれるタイプのキャプテン」と信頼を口にする。この日も、相手の猛攻に耐え抜いたチームの頑張りを、主将は2試合連続となる後半アディショナルタイムの決勝ゴールで勝利に結びつけた。

 西川は、昨年のインターハイ準々決勝で5人抜きのスーパーゴールを含む3得点。決勝でも先制ヘッドを決めたが、後半アディショナルタイムに西川がドリブル突破から放ったシュートを止められ、そのカウンターから同点ゴールを決められている。そして、延長戦の末に逆転負け。エースはその悔しさを忘れていない。

「あそこで止められてカウンターされて負けたので、その悔しさを持って1年間やってきたつもりなので、それを晴らせるように、チーム全体で協力してやっていきたい」。決勝の相手は昨年、西川が5人抜きのスーパーゴール、ハットトリックを達成している富山一高。リベンジの念を持って挑んで来る相手から再び決めて、チームを初の日本一へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2019

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