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「そこは絶対にやらせん」。富山一は一年前に3発献上の西川無得点に抑えるも、ラストプレーで悔しすぎる1失点

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富山一高は守備の柱、DF吉藤廉らを中心に良く守っていたが…。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[8.1 総体決勝 富山一高 0-1 桐光学園高 金武町フットボールセンター]
 
 最後の最後に奪われた1点。富山一高の守備の柱、DF吉藤廉(3年)はその1点が悔やんでも悔やみきれない様子だった。

「本当に悔しいです。最後、自分があのシーンになる前に潰していれば、この失点は無かったんで……。この試合、自分たちがやろうとしていた守りができとったんで、最後の最後にあれをやられたのが悔しいです」

 後半アディショナルタイムのラストプレー、中盤でボールを奪われた富山一は、タッチライン際から持ち上がってきた桐光学園高MF中村洸太(3年)への対応が曖昧に。後手に回った富山一はその後、相手の攻撃を潰しきれずにFW神田洸樹(3年)までボールを繋がれて決勝点を奪われてしまった。

 吉藤は「(みんな)人に行く意識があったんですけれども、多分、そこでちょっとのところで譲ってしまったりがあったと思います」と分析する。それまでは前線から5バック、GK中村純四郎(3年)まで全員で集中してよく守っていたが、最後の1プレーで涙をのむことになった。

 警戒していたFW西川潤(3年)も絡む形での失点。昨年のインターハイ準々決勝で5人抜きゴールを含む3得点を許した西川に対して吉藤は、「『そこは絶対にやらせん』とみんなで話しとって、ピッチでもその声が出ていた」というが、「でも、最後に自分たちの甘さが出たなと思いました」と認めていた。

 吉藤はいずれも大会優秀選手に選出されたDF丸山以祐(3年)、DF牧野奏太(3年)らとともに富山一を後方から支え、ロングスローやゴールでも決勝進出に貢献した。だが、より高いレベルのDFになる必要性も感じる大会に。「個人としては準決勝でやった(尚志の)染野君も点数は決められなかったけれどやられているところがたくさんあったし、西川君も(無得点に抑えたが)奪い切ることができなかった。そういうところでもっと身体も強くなって、球際とかも負けない選手になってもっと後ろからチームを支えられる選手になっていきたいです」。強力FWを止められるDF、最後まで集中力を切らさずに守り切れるチームになって日本一に再挑戦する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2019

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