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インハイ女子は十文字が初優勝、1年前の後半AT逆転負けが「原点」に

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十文字高のMF三谷和華奈主将が優勝カップを掲げる。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[8.1 総体女子決勝 十文字高 1-0 日ノ本学園高 金武町フットボールセンター]

 悔しさをバネに力をつけてきた十文字高が、初優勝を飾った。1年前のインターハイは、1回戦で優勝校の常盤木学園高に3-4で敗戦。それも、勝利目前の後半アディショナルタイムに2点を奪われての逆転負けだった。

 その試合の経験者でもあるMF三谷和華奈主将(3年)は「自分たちのインターハイに対する気持ちというのはそれが原点というか、本当に悔しかったという思いから日本一を掲げていました」と説明する。

 だからこそ、この日は後半30分に先制した後も集中した守り。「1-0で勝っていたんですけれども、いつ点を取られてもおかしくなかったので、一人ひとりが最後まで集中して守りきっていたので、そこは経験を活かせたなと思っています」と主将は頬を緩めた。

 敗戦を受けて変えてきたこともある。十文字は昨年、夏冬の全国大会で常盤木学園に敗れ、冬の選手権では帝京長岡高に苦戦している。その敗戦や苦戦から「身体で負けちゃったりしていたので、自分たちも体作りをしていかないといけないと学んだ」(三谷)。新チームになった際の話し合いで新しいことを始めよう、と取り組んできたのが体幹や走りのメニューだった。

 野田明弘監督がその必要性を感じていたこともあり、毎週月曜日に朝8時から全員で取り組んで習慣化。本当の効果が出てくるのはこれからかもしれないが、選手たちが意識を変えて取り組んだ意味は大きかった。決勝でも自信を持って球際での競り合いやスプリントにチャレンジ。その成長も初優勝の要因となった。

 三谷は今後へ向けて「まだまだ試合を通して自分たちの課題や技術不足を痛感したところがあるので、日々の練習からもっと細かい部分まで意識していくことをやっていかないと選手権で通用しなくなってくると思うので、気を抜かずにもう一回スイッチを入れて選手権へ向けてやっていけたらいい」と語った。昨年感じた課題に取り組んできたことで掴み取った夏の日本一。新女王は夏からまたレベルアップして選手権を迎える。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2019

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