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ブラサカの「日本代表予備軍」が8月下旬にロシア遠征。元JリーガーのGK榎本は日本代表候補から外れる

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前回の日本代表合宿で猛アピールした泉(中央)はステップアップのきっかけをつかみたい

 日本ブラインドサッカー協会(JBFA)は、8月21日から28日まで、ロシア遠征に参加するナショナルユーストレセンのメンバーを発表した。同トレセンによる海外遠征は、昨年12月のマレーシアへ遠征以来、2度目となる。

 これまでナショナルユーストレセンの合宿には、おもに小学4年生以上から高校生年代で、全盲または弱視の単一障がいがある人で、近い将来、ブラインドサッカー(B1クラス)でパラリンピックをはじめとする国際大会での活躍を目指す選手が選ばれてきた。ただ、この遠征には東京五輪パラリンピックへの出場も視野に入れる強化指定選手のGK泉健也やFP丹羽海斗も参加する。

 泉の参加の背景には、Jリーグで20年間で、通算300試合以上に出場し、「Jリーガー守護神」として来年のパラリンピック本番への出場も注目された榎本達也(FC東京育成部)が強化指定から外れたことも関係している。

日本代表の強化指定から外れた榎本達也

 榎本を話し合いを重ねてきた日本代表の高田敏志監督は「榎本については本人とも話をして、強化指定から外しました。五輪については(代表候補に再び入れることを現時点では)考えていない」と明言。昨年11月、1-3で逆転負けを喫したアルゼンチン戦で途中出場させた榎本について「スローイングの速さはブラインドサッカー界、世界的に見ても速い。彼は守備はできる。だから今日は彼の攻撃力に期待した」と語るほど貴重な戦力の1人と考えていた。

 2017年4月に強化指定選手に選ばれた榎本は、クラブの仕事の都合で代表合宿に参加できないことが多かったが、3月のワールドグランプリまでは日本代表の第2GKとして代表に招集していた。その一方で、GKが専門の高田監督は、より専門性を求められるポジションで練習に専念できない榎本の状況も把握しており、個の力だけに頼らず、来年の東京パラリンピック、さらに2024年パラリンピック以降も見据えて、高橋太郎佐々木智昭、7月27日から強化指定選手に昇格した泉らの若手を育てながら、GK陣全体の底上げを図る決断を下した。世界ランク7位と日本より6位格上のロシアでの強化試合でGk泉や丹羽が国際経験を積めば、若手選手だけでなく、日本代表の底上げにもつながる。

▼ロシア遠征参加メンバー
GK★泉健也㉗(free bird mejirodai)
FP★丹羽海斗㉒(free bird mejirodai)
FP髙橋裕人⑳(大阪ダイバンズ)
FP永盛楓人⑱(free bird mejirodai)
FP近藤凌也⑱(buen cambio yokohama)
FP矢次祐汰⑬(A-pfeile 広島 BFC)
FP平林太一⑫(F.C.長野RAINBOW)
ガイド 山本夏幹
監督 彌冨圭一郎
【注】★は日本代表強化指定選手  
  
(取材・文 林健太郎)

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