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[SBS杯]U-18日本代表がベルギーに2-0快勝。影山監督は「もっともっとアクションを」

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前半30分、U-18日本代表MF小田裕太郎(神戸U-18)が右足で先制ゴール

[8.8 SBS杯 U-18日本代表 2-0 U-18ベルギー代表 藤枝総合]

 U-18日本代表がベルギー撃破! U-18日本代表とU-18ベルギー代表、U-18コロンビア代表、そして静岡ユース(静岡県高校選抜)が優勝を争う2019 SBSカップ国際ユースサッカーが8日に開幕した。U-18日本代表はU-18ベルギー代表と対戦し、MF小田裕太郎(神戸U-18)とFW藤尾翔太(C大阪U-18)のゴールによって2-0で快勝した。

 4-4-2システムを組んだ日本のGKは板橋洋青(鳥栖U-18)で4バックは右SB三原秀真(愛媛U-18)、CB西尾隆矢(C大阪U-18)、ゲーム主将のCB馬場晴也(東京Vユース)、左SB加藤聖(JFAアカデミー福島U-18)。中盤は松本凪生(C大阪U-18)と土肥航大(広島ユース)のダブルボランチで右MFが中山陸(甲府)、左MFが小田、そして櫻川ソロモン(千葉U-18)と藤尾が2トップを組んだ。

 日本は序盤からアグレッシブな攻守でベルギーを飲み込みに行く。だが、ベルギーが想定していた布陣と異なる3バックを採用してきたことで戸惑い、右WBマクトゥング・リシャール(パリSG)や超大型FWヴァエセン・キヤン(KVCウェステルロー)、MFコシ・アンディ(サークル・ブルージュ)らが先発したベルギーのサイド攻撃を受けるシーンもあった。

 一方の日本は13分に小田、15分には藤尾のシュートがGKヘルボッツ・ティボ(シントトロイデン)の好守に阻まれたり、ポストを叩くなど、なかなか先制点を奪うことができなかった。だが、ベンチの助言を得て相手のシステムに対応した日本は、長距離移動による来日直後のベルギーが運動量を落としたこともあって、多くの時間帯で試合の主導権を握って行く。
 
 30分、日本は中山の右クロスに走り込んだ櫻川がDFと競ると、右コーナー方向にこぼれたボールを藤尾がキープ。ここから、勢い良く中へ切れ込んだ三原が抜け出し、最後はマイナスのラストパスを小田が右足ダイレクトで決めて1-0とした。

 影山雅永監督が「ここぞというものを感じている選手がいた時にその確率と言いますか、(U-18日本代表は)5回目の活動なので、こういう時に(スイッチを)入れようよというのが共有されてきていると思います」と説明していたが、日本は守備のスイッチを入れてボールを奪いに行った際に土肥や松本が絡む形で奪い切る回数を増やしていた。

 また、この日の日本は三原、加藤の両SBが印象的な動き。相手が3バックだったこともあって、積極的に攻め上がった2人はそのダイナミックな攻撃参加と精度でチームを活性化していた。日本はその両SBやテクニックを示していた中山が絡む形でチャンスを作り出し、動き出しを繰り返す藤尾と櫻川にボールが入る。そして、後半14分には右サイド後方の三原が出した縦パスで藤尾が独走。そのままGKをかわして2点目のゴールを奪った。

 馬場のシュートブロックや西尾のカバーリングなどによって2点差を保持した日本は、この後、メンバーを大きく入れ替え、17分には左MF鮎川峻(広島ユース)とFW晴山岬(帝京長岡高)、27分には右SB石田凌太郎(名古屋U-18)、ボランチMF中村龍雅(相模原ユース)、右MF石浦大雅(東京Vユース)を投入する。

 そして、後半終了直前にはDF井出敬大(柏U-18)とMF岩本翔(筑波大)を送り出して3バックにもチャレンジした。日本はベルギーにシュート15本を浴びせて2-0で勝利。ただし、影山監督は相手の攻撃を予測しながら奪いきれなかったり、奪い返されたりしていたシーンを指摘。また、チームとしてほどよくまとまるのではなく、時に一人で強引に持ち込んで決めきったり、一人で取り切るために勇気を持ってマークを捨てて出ていくような部分にも期待する。

「まあまあチームとして全体が上手く行っているよね、ということをそのまま容認してしまうと危ういなと思います。もっともっと要求してアクションを起こす。(きょうは)上手く繋いでいますけれども、後半なんかゴール前のアクションがほとんどないんですよ。彼らにもっともっと高いところを求めていかないといけないという印象ですね」と語っていた。今年11月には21年U-20ワールドカップアジア1次予選に当たるAFC U-19選手権予選が行われるが、01ジャパンは先も見据えながら強化し、世界を勝ち抜く強いチームになる。

(取材・文 吉田太郎)

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