beacon

U-17代表に帰ってきた大型GK山田大樹、チームに鹿島のスピリットと自身の武器加える

このエントリーをはてなブックマークに追加

U-17日本代表の大型GK山田大樹(鹿島ユース)

 焦がれていた場所に帰ってきた。190cmの大型GK山田大樹(鹿島ユース)は、今回の福島合宿が今年に入って初のU-17日本代表候補合流。昨年、AFC U-16選手権でアジア突破、そして優勝に大きく貢献した山田だが、今年は2月に足を負傷して3か月間離脱するなどU-17代表から遠ざかっていた。

 山田にとって今年10月開幕のU-17ワールドカップブラジル2019は「この一年の目標の一番」という舞台。それに出場して活躍することを目指して2019年のスタートを切っていたが、出遅れることになった。

「焦りももちろんありましたし、一日でも早くと」と山田。今年、鹿島ユースでキャプテンを務める山田は、チームのこと、代表のことで考える時間が長かったという。それでも自分にできることから取り組み、チームで復帰を果たす。そして、U-18日本代表候補合宿への招集を経てU-17日本代表候補復帰。早生まれ選手として、2年前から02ジャパンに名を連ねる守護神は、違和感なく待望してきた場所に加わっている。

「もちろん、今回初招集や2回目という選手がいる中で、自分は去年、一昨年から呼ばれていて言われなくてもやらなければいけないというのは分かっていますし、早生まれで呼ばれていて、そこでみんなと同じようにやっていたら意味がない」。ピッチ外でもリーダーシップを発揮する“帰ってきたGK”は、自分がU-17代表に加えるべきものをはっきりと理解している。

「鹿島の勝負強さというか、勝ちにこだわる姿勢だったり、勝ち方というのは去年からトップでやらせてもらっていますし、代表でもどこでもサッカーの本質の部分だと思いますし、鹿島という日本一のクラブで経験できているのは自分だけなので、伝えられることとしては勝ちにこだわる姿勢などだと思う」。“常勝軍団”鹿島のスピリット。そして自身の武器であるシュートを打たせない部分やカウンターの起点となるキックでチームにプラスアルファをもたらす考えだ。

「去年のワールドカップ決めた時点から、目標は今回のワールドカップ。それは一年間持ってきたものなので何としてもメンバーに入りたい。自分だけの力でここまで来た訳ではないので、チームのスタッフやチームメート、親にも感謝しながら、自分が出た試合は全部勝てるようにしたいと思います」と力を込めた。

 U-17日本代表のGKは、今回の福島合宿に招集されている佐々木雅士(柏U-18)、野澤大志ブランドン(FC東京U-18)に加え、U-20ワールドカップメンバーのGK鈴木彩艶(浦和ユース)ら非常にハイレベルな争い。山田は競争を経て、自分だけでなくライバルの力も引き上げることを考えている。「自分が出て勝つのが一番ですけれども、もしできないとなっても自信を持って出た選手を(U-17ワールドカップの)試合に送り出せたらと思います」。それだけの競争をこれからの2か月間続けること。02ジャパンのリーダーの一人でもある大型GKは、GKグループ、フィールドの選手とともにも全員で強いチームを作り、世界で勝ち抜く。

(取材・文 吉田太郎)

TOP