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インハイは自分たちのサッカー表現も惜敗。那覇西は選手権で「沖縄代表でもできること」を示す

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那覇西高は選手権で全国8強以上に再挑戦する

選手権で全国ベスト8に再挑戦する。沖縄の名門、那覇西高は地元・沖縄で開催された令和元年度全国高校総体(インターハイ)「感動は無限大 南部九州総体2019」男子サッカー競技に沖縄県第1代表として出場。地元の期待を背負ったチームは判断しながらボールを丁寧に繋いで攻めるサッカーで全国ベスト8以上を目指したが、初戦で北越高(新潟)に0-1で競り負けた。

 攻守の要であるMF伊佐航平(3年)やクレバーなMF高良英希(3年)を中心に相手を見てボールを動かすこと、連動した崩しにチャレンジすることなど自分たちのサッカーを表現した。だが、1点を奪い取る力を欠いて敗戦。勝てば、高校年代最高峰のリーグ戦、プレミアリーグEASTで首位を走る青森山田高(青森)と対戦できただけに平安山良太監督は「青森山田と勝負したかったですね」と残念がった。

 決勝翌日、平安山監督は那覇西が全国上位へ進出するために必要なものを口にしていた。「まずディフェンス。そして、強いディフェンスを上回るオフェンスが必要」。チームのディフェンス面をレベルアップさせて、日常のトレーニングレベルを引き上げる。そのディフェンスを上回るような攻撃、ゴールを奪い獲ることを習慣化したい考えだ。

 全国区の強豪に比べると、那覇西はまだまだディフェンスの強度、切り替えの速さなどが不足している。開会式で選手宣誓をしたCB仲程飛雄主将(3年)やCB中山聖(3年)中心に粘り強い守備をしてきたが、それを全国レベルの強度、スピードにまで引き上げ、全国と勝負するための武器である攻撃面を進化させる。

 司令塔の伊佐はチームが敗退の悔しさを持って、再スタートしていることを実感していた。「インターハイが終わって少し緩みとか出てくるのかなと思ったんですけれども、きょうの練習でもしっかりみんな選手権に向けて切り替えて、良い雰囲気で練習できていたので強度も求めつつ、その強度の中で質の高いサッカーをやらないと全国では勝てないと思うので、この中でパスの質やシュートの質にこだわりながらやっていきたいです」と力を込めた。

 那覇西が選手権で過去最高のベスト8へ進出したのは25年前の94年度。近年、沖縄代表はなかなか上位まで勝ち上がることができていないが、選手たちは沖縄代表でも「できる」ことを示すという野心を持っている。

 怪我のためにインターハイを欠場したFW新垣有悟(3年)は選手権へ向けて「県外に多く中学生が出る分、そういう大会で活躍していって沖縄の選手でもやれるんだということを証明しなければいけないという責任が自分たちにはある。あと、今まで応援してくれた人たちに感謝を表せる最後の大会なので、無駄にせずに沖縄県の誇りを持って全国ベスト8に入りたいと思います」と誓った。

 取材日はアディダスフットボールの4サイロスパイク、『COPA』、『PREDATOR』、『X』、『NEMEZIZ』のニューカラーをトライオン。より自分の特性を引き出し、怪我を防ぐスパイクを体感していた。サポートに応えるためにも上へ。高良は「沖縄では西原とか宜野湾とかもいるけれどもそこにもボロ勝ちするくらいでないと全国の強豪とはやっていけないと思う。もっとこの夏で化けて冬に向けて頑張ります」と語り、中山は「ゼロ点に抑えれば負けることはないのでディフェンス面に関して自信を持てるようにしたい」と宣言した。名門・那覇西が課題を改善しながら成長して今冬、沖縄代表でも「できる」ことを証明する。

(取材・文 吉田太郎)

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