beacon

[関西U-16~Groeien~]「こういうゲームを1年生のうちから経験できるのは大きい」阪南大高が興國破り、G1首位浮上!

このエントリーをはてなブックマークに追加

後半3分、先制ゴールを決めた阪南大高FW石川己純が笑顔

[8.22 関西U-16~Groeien~G1第8節 阪南大高 2-1 興國高 伊勢フットボールヴィレッジ]

 関西地域の強豪校が長期にわたるリーグ戦を通して、U-16選手の育成および指導者のレベルアップを図る「関西U-16~Groeien~2019」は22日にG1リーグ第8節を行った。首位の興國高(大阪)と2位の阪南大高(大阪)による首位決戦は、2-1で阪南大高が勝利。阪南大高は1試合を残して首位に浮上した。

 2位・阪南大高と勝ち点1差の首位で第8節を迎えた興國が勝てば、最終節を残して優勝が決定。互いに最終節は上位対決を残しているため、2位以内が獲得する全国ルーキーリーグ交流大会出場のためにも負けられない戦いだった。

 序盤に見せ場を作ったのは「次の試合どうこうよりも目の前の試合にしっかり勝つことを意識させた」(平野洋二郎コーチ)阪南大高。前半7分に訪れた決定機はオフサイド判定により、ゴールが認められなかったが、直後の8分にはロングボールを競り合ったこぼれをFW櫻本亜依万が拾ってシュート。相手守備に阻まれたところをMF櫻井文陽が詰めたがボールは枠を捉えることができない。

 次第に流れはテンポの速いパス回しからピッチの幅を使った攻撃を繰り出した興國に傾いたが、「相手のペースになった時にここで我慢できれば後半は自分たちのペースが来ると思っていた。全員で耐えられて良かった」と振り返るDF西田祐悟を中心に阪南大高の守備陣がきっちり要所を封じた。

 西田とCBを組むDF石井大貴もFWからコンバートされたばかりと思えない対応でピンチを防ぎつつ、CBコンビからの対角線上へのロングフィードで相手を押し返した。平野コーチは前半の展開をこう振り返る。「サッカーの内容は言わず、こうした緊迫のある状況は必ずしんどい状況が来るから、しんどい時に我慢できるかが勝敗のカギになると話していた。選手が言ったことを頑張ってくれた」。

 試合が動いたのは後半3分だった。阪南大高は中央でボールを持ったMF鈴木章斗のスルーパスからMF松本楓悟がPA右を抜け出し、ゴール前にラストパス。ニアに滑り込んだFW石川己純が合わせて阪南大高が均衡を崩した。

 だが、直後の4分に興國が同点に追いつく。FW永長鷹虎が放ったシュートのこぼれをFW村上時直に押し込んで1-1。だが、DF田上涼太が「前半は何とか耐えることができたので点が欲しかった。チャンスはあったので決めきる力がなかった」と振り返ったように後が続かない。

 すると、26分には再び阪南大高にチャンスが訪れ、右サイドからゴール前に入ったボールを反対サイドの鈴木が冷静に決めて2度目の勝ち越しに成功した。終盤は陽が落ちて、視界が悪い状況で興國に押し込まれる場面が続いたが、阪南大高は主将のGK山形慈温を中心に粘り強く対処し、タイムアップ。上位対決を制した阪南大高が首位に浮上し、最終節を迎えることになった。

 勝った阪南大高は勝利への気持ちが感じられた一戦とあり、平野コーチは「こういうゲームを1年生のうちから経験できるのは大きい。最後残り10分を耐えなければいけない状況はなかなか経験できない。リーグ序盤では幼さを感じた選手たちが人間的な部分で逞しくなってきた」と評価。昨年の全国ルーキーリーグ交流大会優勝チームの阪南大高が最終節の京都橘高も貪欲に勝ち点3を掴み取り、初のグロイエン(Groeien)王者を目指す。

(取材・文 森田将義)
▼関連リンク
関西U-16~Groeien~2019特集ページ

TOP