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[MOM2952]阪南大高MF鈴木章斗(1年)_上手さ際立つMF、首位攻防戦で2点に絡む

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首位攻防戦で2得点に絡んだ阪南大高MF鈴木章斗

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.22 関西U-16~Groeien~G1第8節 阪南大高 2-1 興國高 伊勢フットボールヴィレッジ]

 濱田豪監督を筆頭に阪南大高のコーチングスタッフがテクニックの高さを評価する1年生の中でも、MF鈴木章斗(1年)の上手さは際立っている。数多くの技巧派が育ったガンバ大阪のアカデミー出身とあり、ボールを持つとそう簡単には失わない。加えて相手のバイタルエリアで繰り出すスルーパスも持ち味で、リーグ最多得点を記録する阪南大高の攻撃を牽引してきた選手だ。

 首位・興國高に挑んだ一戦も彼の良さが活きた試合だった。前半は我慢の展開を強いられたこともあり、高い位置で持ち味を発揮する場面は少なかったが、均衡を崩しに行った後半からはピッチで躍動。後半4分、PAの手前でパスを受けた鈴木は「後ろから良い縦パスが来て、良い感じで前を向けたのでパスを出すだけだった」とPA右に配球する。そして、右を駆け上がったMF松本楓悟(1年)のパスから、最後はFW石川己純(1年)が先制点をマークした。

 26分には右サイドからゴール前に入ったボールに対し、鈴木は反対サイドからゴール前に飛び込んで反応。「最初はパスを出そうかと思ったけど、監督からシュートを意識しろと言われていたので思い切って打った」一撃がゴールネットを揺らした。この得点が決勝点となり、阪南大高が2-1で勝利。2点に絡み、試合のヒーローとなった鈴木は、「最後まで走り切れて良かった。苦しい時間もあったけど、良い時間帯に決められて良かった」と笑顔を見せた。

「ボールを獲られないし、失わない」との理由で今夏に鹿島からバルセロナへと移籍したMF安部裕葵を目標にする。高校進学時にG大阪ユースへの昇格は果たせず、高いレベルでのプレーを求めて阪南大高へと進学した。

 入学した当初から技術の高さを評価される一方で、精神面での課題も見られたが、グロイエン(Groeien)で経験を積むうちに大きく改善。平野洋二郎コーチも「頼りになる選手。負けた東海大大阪仰星高戦では自分をコントロールできなかった。でも、Aチームでプレーするうちに自分のコントロールができるようになったから、1試合通してのパフォーマンスが落ちない。ある一定のラインでずっとできていたのでこの先、Aチームで使って欲しいくらい」と高く評価している。阪南では珍しいというギラギラした性格も平野コーチが買っているポイントだ。

 最近はAチームでプレーする機会も増えてきたが、当たり負けすることも多く、まだまだ成長の余地を残している。一方でボールの受け方が上手くなり、以前はあまり入らなかったシュートも決定力を意識したことで向上している。「チームを引っ張っていなかいとダメだし、勝たせる選手になりたい」と意気込む鈴木の活躍は今後も続くはずだ。

(取材・文 森田将義)
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