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[全中]「意識は半端ない」決勝はここ5年で3度目、2年連続の激突!連覇狙う日章学園か、覇権奪回青森山田か

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決勝は2年連続で日章学園対青森山田に決まった

 奈良県で開催されている第50回全国中学校サッカー大会の決勝の組み合わせが、2年連続で日章学園中(宮崎)対青森山田中(青森)に決まった。

 意識するチーム同士が再び頂点をかけて激突する。決勝での対戦はここ5年で実に3回目。直接対決の結果は1勝1敗と五分だが、優勝した昨年以外、指導して出場した大会すべてで優勝を持っていかれている日章学園の花房亮太監督は「意識は半端ない」と鼻息荒く話す。

 日章学園は“チーム九州”の想いを背負う。決勝で対戦する青森山田は準々決勝でルーテル学院中(熊本)、そして準決勝で宮崎日大(宮崎)を破って勝ち上がってきた。中でも同郷の「宮崎日大の分まで」という想いは当然のように持っている。

 また同時期に開催されている日本クラブユースサッカー選手権(U-15)では、サガン鳥栖U-15がFC東京U-15むさしを破って決勝に進出。日章学園も準々決勝、準決勝と接戦をものにしての決勝進出ということで、花房監督も「彼らと切磋琢磨できていることが、昨日、今日のゲームに繋がっている」と“チーム九州”への感謝も語る。

 連覇となれば同校では2007年、08年以来で2度目。今大会は当時監督だった三笘康之氏(現奈良学園登美ヶ丘中・高教諭)が赴任する奈良県での開催ということも因縁めいている。花房監督は「いい報告が出来れば」と2年連続の決勝を前に静かに闘志を燃やした。

 対するのは青森山田だ。昨年の敗戦で連覇を4で止められた相手。覇権奪回への期待は高まるが、ここは6年連続で決勝の舞台に立つ余裕か、準決勝の7発大勝については、「上手くいきましたね」と笑みをこぼした上田大貴監督も、「リベンジとは思っていません。目の前の相手に勝って優勝するだけだと思っています」とむしろ淡々と話す。

 上田監督と花房監督は同い年の33歳。意識し合いながらも、互いの地域の情報交換を積極的に行うなど、「いい関係性」が築けているという。しかし直接対決となれば話は別。上田監督も当然、「負けられないですよね」と不敵な笑みを浮かべていた。

 青森山田は昨年までの7年間で5度の日本一を経験。そして高校に進学した主力メンバーが中心となって、高校選手権やプレミアリーグで活躍するという好循環が生まれている。「これからもアドバンテージにしていきたい」ことだという。

 そのためには「頂点」を経験しなければいけない。高校を経てJリーガーになったFW檀崎竜孔(札幌)や卒業後に浦和レッズへの入団を決めたMF武田英寿ら、近年は圧倒的なタレントを擁して「頂点」まで駆け上がったが、今年のチームは圧倒的なタレントがいない分、「個人よりもチームとして戦う意識が共有できている」とも話す。

 軍配はどちらに上がるか。実力校同士の激突となる決勝は24日、奈良県立橿原公苑陸上競技場で10時にキックオフする。

▽準決勝
[葛城市新庄第1健民運動場]
日章学園中 2-1 静岡学園中
[日]工藤珠凜(1分)、蔵屋明徹(50分)
[静]西井大翔(44分)

[葛城市新町球技場]
青森山田中 7-0 宮崎日本大中
[青]堀江健太2(6分、25分)、米谷壮史2(14分、30分+5)、中川勇輝(30分+1)、仲里広夢(39分)、伊藤義迪(56分)

▽決勝
[奈良県立橿原公苑陸上競技場]
日章学園中 10:00 青森山田中

(取材・文 児玉幸洋)
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