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前半3点に絡んだイニエスタ、“盟友”眼前で無念の負傷交代…指揮官&同僚も心配

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FWフェルナンド・トーレスとMFアンドレス・イニエスタ

[8.23 J1第24節 鳥栖1-6神戸 駅スタ]

 幼少期から世代別代表で将来を誓い合い、共にスペイン代表の黄金時代を築き、日本で再会を果たした奇跡の盟友が目の前で現役キャリアに幕を閉じた。ヴィッセル神戸MFアンドレス・イニエスタは試合後のセレモニーでサガン鳥栖FWフェルナンド・トーレスと熱い抱擁をかわした。

 同じ1984年生まれの2人が出会ったのは12歳の時。それから20年間、ナショナルチームでは仲間として、クラブチームでは対戦相手として、そしてプライベートでは親友として、強固な絆を築いてきた。

 イニエスタは昨年5月、プロキャリアの全てを過ごしたバルセロナを旅立って神戸に加入。その後を追うようにトーレスも昨年7月、身も心も捧げてきたアトレティコ・マドリーを離れ、鳥栖にやってきた。この1年間、2人のスーパースターはJリーグ変革の象徴として、サッカーファンにとどまらない注目を集め続けてきた。

 そうして迎えた今年6月、トーレスは1年間の日本生活を最後に現役プロサッカー選手としての第一線から退くことを決断した。最終戦の舞台に選んだのは8月23日の神戸戦。本人からも引退記者会見の場で語られたように、イニエスタの所属先であることが理由だった。

 共にキャプテンとしてプレーした2人は試合前のコイントスで早くも競演。肩を組んで撮影に応じる一幕もあった。その後、始まった試合はイニエスタがいまだ衰えぬパフォーマンスを発揮。相手を引きつけながらの横パスとダイレクトのフィードで味方の2得点を演出したうえ、前半20分にはPKで今季6ゴール目も沈めた。

 ところが前半42分、イニエスタに思わぬアクシデント。左サイドでボールを持ち出そうとした際に左太ももを痛め、ピッチに倒れ込んでプレーを続けることができなくなった。トーレスが心配そうに歩み寄る中、MF安井拓也と無念の交代。2人の競演はわずか45分足らずで幕を閉じた。

 試合後、トーレスの引退セレモニーでは気丈な姿を見せていたイニエスタだったが、報道対応は行わずにスタジアムを去った。トルステン・フィンク監督は「一つショックなことがあった」として中心選手の負傷を憂慮。MF山口蛍も「それが今日は一番残念だった。アンドレスが怪我をしたのはチームにとって大きい」と心配そうに振り返った。

(取材・文 竹内達也)
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