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「一番思い入れのあるクラブ」から奪ったJ1初ゴール!! 松本FW阪野豊史「成長した姿を見せられた」

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松本山雅FCのFW阪野豊史

[8.23 J1第24節 浦和1-2松本 埼玉]

 成長した姿を見せた。浦和の下部組織で育ち、浦和でプロの道を歩み始めた松本山雅FCのFW阪野豊史は、かつてのホームスタジアムである埼玉スタジアムのピッチに立つと、自身J1初ゴールを奪ってチームの逆転勝利に大きく貢献した。

 前半19分に浦和に先制を許したものの、追加点を許さずに試合を進めると、後半30分に阪野が大仕事をやってのける。左サイドでボールを受けたMF高橋諒からクロスが送られると、猛然と走り込んで大きくジャンプ。DF槙野智章、DF森脇良太に競り勝ってヘディングシュートを放つと、相手に当たったボールは緩やかな放物線を描き、クロスバーを叩きながらもゴールマウスに収まって、値千金の同点ゴールが生まれた。

「諒が良いボールを上げてくれた。敵にも当たってラッキーなところもあると思うけど、ああいう場所に入っていくことも大事だし、しっかりヒットさせることでゴールにつながったと思う」

 自身にとってのJ1初ゴール。相手に当たってのゴールとなったこともあってか、反町康治監督からは「へなちょこシュート」と冗談で言われたようだが、1点は1点。このゴールで勢いに乗ったチームは2-1の逆転勝利を収めた。

 何よりも忘れられないゴールとなっただろう――。

 浦和の下部組織で育った阪野だったが、トップチーム昇格はならず。進学した明治大で大きく成長すると、「また戻って来れてうれしい。戻りたいとずっと思っていた」と13年に浦和に“復帰”。しかし、出場機会は限られ、15年に栃木、16年に愛媛への期限付き移籍を経て、17年に山形へ完全移籍することになった。しかし、与えられた環境で結果を残し続けてきたことで転機が訪れる。15年からJ2でのプレーが続いていたものの、今年7月に「大きな決意を持ってここに来ました」と山形から松本への完全移籍を果たし、J1の舞台へと戻ってきた。

 J2リーグでは2年連続二ケタ得点を記録するなど、47得点を記録してきたアタッカーも、J1では無得点だった。しかし、松本加入直後から出場機会をつかみ、第21節川崎F戦からは先発出場を続け、スタメンに名を連ねて4試合目となった浦和戦で、ついにJ1初ゴールを奪った。

 下部組織から育った特別なチームから奪ったゴールに喜びを噛み締める。「ユースから育ててもらったクラブだし、悔しい思いもたくさんしてきたクラブ。一番思い入れがあるクラブから初ゴールできたことは嬉しいし、成長した姿を見せられたと思う」と苦労してきた男は感慨深く語った。

(取材・文 折戸岳彦)
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