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反町監督が認める松本MF町田也真人の“3つの力”

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松本山雅FCのMF町田也真人

[8.23 J1第24節 浦和1-2松本 埼玉]

 166センチの小兵が投入されたことが反撃の合図となった。そして、自らの役割を果たし、逆転勝利に貢献した松本山雅FCのMF町田也真人にチームを率いる反町康治監督は賛辞を贈った。

 指揮官は振り返る。「先制されて難しいかなというのが正直なところだった」と――。前半19分に先制された「たくさん点を取るチームではない」(反町監督)という松本は、「オープンな展開にすると2、3点取られてしまうので、後半20分までは我慢しようと」と、まずは追加点を奪われないように我慢の時間を過ごした。

 リードを許しているが、焦りはない。「浦和の中盤に大きなスペースがある」と感じていた反町監督は、「2トップで向こうの最終ラインを前に出させないようにして、ボランチと最終ラインの間のスペースをセルジーニョと町田也真人でうまくコントロールできればと目論んでいた」との狙いを持ち、後半20分にMF藤田息吹に代えて町田を投入。アンカーにパウリーニョ、インサイドハーフに町田とセルジーニョ、2トップにFW阪野豊史とFW永井龍を配置して反撃に出た。

 狙いは見事に当たった。中盤のスペースでボールを呼び込む町田が的確な判断で攻撃にリズムをもたらし、浦和ゴールに迫る場面を創出すると、後半30分にまずは同点ゴールを奪取する。センターサークル付近でセルジーニョからパスを受けた町田がボールを運んで右サイドのMF高橋諒に展開すると、高橋のクロスを阪野がヘディングで決めて試合を振り出しに戻した。

 さらに、後半38分には鋭い動きでDF山中亮輔のマークを外してスローインを受けると、細かいタッチで山中に距離を詰めさせずにPA内の永井へとパスを通す。自らは相手の注意を引き付けながら中央に走り込み、永井のクロスを逆サイドから走り込んだ高橋が豪快なダイレクトボレーで沈めて逆転となるゴールが生まれた。

 2得点の起点となった166センチの町田を反町監督は、「彼は見てのとおり華奢な体でハードに狙われると良さはあまり出ない」と評しながらも、「ただ、スペースがあれば“見る力”と“受ける力”、“運ぶ力”があるので、今日は相手との相関関係で也真人で行くしかないと早めに切った」とその能力を認める。指揮官の期待に応えた男は、「まずは一つ勝てた。今日の勝ちは大きいし、自分にとっても自信になる」と白い歯を見せた。

(取材・文 折戸岳彦)
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