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[MOM631]大阪体育大FW林大地(4年)_一足早く感じたプロ、嬉しかったトーレスのアドバイス

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決勝点を奪ったFW林大地

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.3 総理大臣杯準々決勝 立正大0-1大阪体育大 ヤンマーフィールド長居]

 立正大(関東2)に押し込まれる展開が続きながら、自らが得たPKをきっちり決めて大阪体育大(関西4)が1-0で勝利。勝利の立役者となったFW林大地(4年=履正社高/鳥栖内定)は試合後、「マジできついっす」とロッカールームの前に座り込んだまま動けなかった。

 試合から遠ざかっていたのが疲労の理由だ。夏休み期間中は、来季からの加入が決まっているサガン鳥栖に帯同したが、試合に出たのは45分間の出場で終わった大分トリニータとの練習試合と、プロデビューと初ゴールを記録した先月11日のセレッソ大阪戦で22分間出場したのみ。久々にフル出場に近い出場時間を得た2回戦の筑波大戦から中1日で、この日に挑んでいたからだ。

 試合でもDF平松航(1年=磐田U-18)にタイトな守備を挑まれ、バチバチとやり合った。疲れた身体に追い打ちをかけるような状態だったが、「プロに行けばもっと凄いCBがいる。同じ大学生に手こずっているようじゃダメ」とボールが入れば、強引にマークを振りほどいてゴールに迫った。

 野性味溢れる動きは、英語で野獣を意味する「ビースト」の異名通りだったが、前半のシュートはゼロ。後半は思うようにボールが入らず苦戦が続いたが、後半34分にはPA内でボールを受けるとドリブルで仕掛けた。

「相手はボールの処理が上手かったけど、後ろ向きでの対応や五分五分で競争した時に弱いなと思っていた」との狙い通り、強引に相手DFより前に身体を出した所を倒され、PKを獲得した。

 このチャンスを自ら冷静に決めると、大体大が勝利。「まったく動けていなかったので、ボールが来たら力を出そうと思っていた。最低限の仕事ができて良かった」と笑みを浮かべた。

 コンディション的には万全ではないが、一足早くプロの世界を経験できたのは無駄ではない。ゴールへの貪欲さは以前より更に増している。「プロの世界は結果の世界。結果を出せば監督が信頼してくれる。突然来た僕をC大阪で使ってくれたのは、大分との練習で2点を決めたから。鳥栖に行ってから今まで以上に結果を残すことが大事やなって思った」。

「経験ある人たちに教えて貰いたいタイプ。Jリーグでめっちゃ結果を残している人しかいないので、自分のプラスになると思って鳥栖を選んだ」彼にとって、先輩FWたちと触れ合えたことも大きく、様々なアドバイスを貰えたことはプラスになっている。

 中でも、林の自主練を眺めていたFWフェルナンド・トーレスから「君は良いストライカーなんだから、動きを工夫すればもっと点が獲れると思う」とジャンプの仕方を教えて貰えたことが嬉しかったという。

「スーパースターからアドバイスを貰えて凄く嬉しかった。(ライバルである同じFWにも)アドバイスができるくらい余裕があるんやって改めて凄さを感じた」

 プロでの活躍に胸を躍らせる一方で、今は残りわずかとなった大学生活のことだけを考えている。「大学に来てからFWをやらせてもらったから成長できた。監督の(松尾)元太さんには本当に感謝している。1年生の時はまったく試合に出られなかったけど、2年生から我慢して試合に使ってもらえたら今がある。恩返しの意味でも絶対にタイトルを獲りたい」。

「イライラを溜め込めないからプレーで出すしかない」と笑う通り、ストレスや怒りを野性味あふれるプレーに変えるのが、林大地だ。大臣杯では2試合連続でゴールをマークしているため準決勝ではより厳しい警戒網を敷かれるはずだが、強引にぶち破りまた歓喜を呼び込んでくれるだろう。

(取材・文 森田将義)
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