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「ダンがケガをして…」急きょ先発の権田、5月以来の公式戦で好セーブ

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アジアカップ決勝以来の代表戦出場となったGK権田修一

[9.5 キリンチャレンジ杯 日本2-0パラグアイ カシマ]

 出番は突然やってきた。試合前のウォーミングアップに参加したGKは権田修一(ポルティモネンセ)と川島永嗣の2人のみ。GKシュミット・ダニエルはベンチに座ったまま、ゴール前に立つことはなかった。

「ダン(シュミット・ダニエル)がケガをして、急に試合に出ることになった」。権田はそう明かしたうえで、「GKは急にしか(出番は)来ない。試合中にGKが退場していきなり出場するほうが急だから」と動じることなく、ピッチに立った。

 2月1日のアジアカップ決勝・カタール戦(●1-3)以来の代表戦出場。ポルティモネンセでも今季は出場機会がなく、公式戦出場自体がポルトガルデビューとなった昨季最終節の5月19日・ブラガ戦(●0-2)以来だった。

「チームで試合に出ていない状況でこうやって呼んでもらって、試合に出て全然ダメだったら“もうダメだな”ってなっちゃう」。試合は序盤から日本が優勢に進め、守備機会はほとんどなかった。それでも前半36分のピンチには至近距離からのシュートを鋭い反応で弾き、相手の強烈なミドルシュートも的確に抑えた。

「練習でやっていることしか試合ではできない。試合に出ていても、練習でやっていることを試合で出すだけ。ケガ明けではないし、ポルトガルでも練習はずっとやってきている。練習でやったことを出して、通用しなかったらまた練習すればいい」

 だからこそ、この1試合を完封したからといって満足することもない。「1試合、(失点)ゼロに抑えたから次も抑えられる保証はない。次に向けてまた準備しないといけないし、その繰り返し。『5月以来の試合がゼロで良かった』ではなく、次もゼロで抑えられるように、また明日から準備しないといけない」。10日のW杯アジア2次予選初戦・ミャンマー戦(ヤンゴン)は「だれが出るか分からない」。それでも、いつどんな形で出番が来ようと、常に最善の準備をしていくことに変わりはない。

(取材・文 西山紘平)

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