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大舞台でこそ輝く才能…明治大MF中村健人「結果で示したかった」初の決勝ピッチで躍動

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4年目にして初の決勝のピッチに立ったMF中村健人

[9.7 総理大臣杯決勝 明治大2-1法政大 ヤンマースタジアム長居]

 MF中村健人(4年=東福岡高)が明治大4年目にして初めて、大学日本一を決めるピッチに立った。

 ようやく巡ってきたチャンスだった。

 東福岡高のキャプテンとして高校選手権を優勝。高校サッカー界で名を馳せた中村健は、総理大臣杯には大学入学初年度からメンバー入り。1年時と3年時は準決勝にも先発。特に昨年は準決勝の大阪学院大戦で2アシストを記録する活躍をみせた。

 しかし過去3年の決勝はいずれもベンチにすら入ることが出来なかった。過去3年連続で進んだ決勝は、奮闘するチームをすべて裏方として支える側に回っていた。

 気丈に話した姿が印象に残っている。昨年の決勝戦後、喜びを爆発させながらロッカーを出て来たイレブンの中で、中村健は用具を整理していた。「怪我でもしたの?」。記者の問いかけに、「実力です」と笑顔で一言だけ返してくれた。

「今年は決勝を戦うメンバーに選んでもらって、そこは3年間の悔しさというか、やってやろうという気持ちが強かった。プレー面で貢献するのはもちろんですけど、結果で示したいなと思っていました」

 ぶつけた悔しさは見事に結果として表れた。1点を先行された直後の前半27分、右サイドを駆け上がるMF中村帆高(4年=日大藤沢高/FC東京内定)に絶妙なスルーパスを通して、FW佐藤亮(4年=FC東京U-18)の同点弾の起点になる。

 さらに後半24分には右サイドからのCKを蹴ると、DF小野寺健也(4年=日大藤沢高)の頭にピタリと合わせて、決勝点をアシストしてみせた。

「CKを蹴るときに交代板で番号が見えたので、これが最後になる、アシストしかできないなと思って、いいボールを蹴ることだけに集中していました。あとは練習試合でもああいう形で点が取れているので、健也を信じて蹴るだけでした」

 大学タイトルの総なめ。歴史と伝統を持つ明大サッカー部の中でも、最強の称号を得る可能性があるシーズンを送っている。「歴史を超えることでどんどん成長していきたい」。中村健自身も残りの半年間を悔いなく過ごしたい思いを強めている。

 サッカーでその先に進むことをもちろん考えている。声をかけてくれるクラブもあったが、総理大臣杯に集中するために進路決定については一旦封印していたという。「プロに行くだけじゃなくて、活躍することをイメージしてやってきている。そこは焦らずに、自分のプレーを磨きつつ待ちたい」。大舞台でこそ輝く才能。そういう星の下に生まれた選手は、今後も必ず必要とされる時が来る。

(取材・文 児玉幸洋)
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