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全校生徒の前で“異例”の入団会見。松本内定の立正大淞南MF山田真夏斗「自分の目標は日本代表」

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 来季からの松本山雅FC加入が内定している立正大淞南高(島根)MF山田真夏斗(3年)が10日、島根県松江市の同校で開催された内定発表記者会見に出席した。この日は、立正大淞南の全校生徒が記者会見を見学する“特別授業”。サッカー部のチームメートたちや同級生たちが松本の応援歌を歌う中で“会見場”の体育館に現れた山田は、「幼い頃から夢だったプロサッカー選手になることをとてもうれしく思います。自分の目標は日本代表に入ることですし、まずは松本山雅で活躍することが大事だと思うので、先のことを考えながら一個一個積み上げて行けたらと思っています」と宣言した。

 山田は山陰の名門、立正大淞南で昨年からレギュラーを務める大型MF。特にパスセンスは秀逸で、見ている側が予想できないようなスルーパスを出したり、一発のサイドチェンジ、縦パスなどでチャンスメークする。そして、推進力のある動きでゴール前に飛び込み、ゴールを決めることのできる大器だ。複数のJクラブが注目する中、最終的に「このチームならば本当に成長できると思いました。サポーターの声援だったり街全体の山雅に対する雰囲気も凄く良かった」(山田)という松本が獲得を果たした。

 松本の江原俊行チーム統括本部強化育成部スカウトは、1年時冬に初めて山田をチェック。「(サイズ感に加えて)『この子、見ているところとか、出すところか非凡なところがあるなとすぐに目に入りました」という。そして2年時の活躍などを確認して1月に練習参加。今年はインターハイ出場を逃したが、7月に再度練習参加した際に力を認められて、内定、そしてこの日の仮契約となった。

 他にもパスを得意とする選手がいる中で、江原スカウトが他の選手との違いとして挙げるのは前に出て行けるところだ。「長い距離を走って自分でまた獲りに行ける。出して終わりの選手はいるんだけど、出してさらに前に行ける。点も獲っていますから。出して終わりじゃないというところが気になったところですね」。今後はボランチ、トップ下という型に留まるのではなく、“センターMF”として飛躍していくことを期待した。

 同じく、江原スカウトが才能を見抜いたU-22日本代表FW前田大然のように、松本から世界へ。立正大淞南にとって17人目となるJリーガーを育成した南健司監督も「ダイヤモンド・アイ。瞬間的な視野の広さは群を抜いていると思う」という逸材が、クラブ関係者やサポーター、恩師、チームメート、そして家族への感謝をプロで活躍することによって伝える。

 山田は内定が決まった際のチームメートや同級生の反応や自身の心境について、「プロに内定して多くの生徒、そしてチームメートから激励、『これから頑張れ』という言葉をもらったり、本当にプロサッカー選手になったなという気持ちになりました。(きょうは仲間たちの前で記者会見をしているが、)入学した時はこんな選手になるとは思っていなかったので驚いています」と語った。

 昨年は夏冬連続で全国大会に出場したが、今年はインターハイ出場を逃している。それだけに、現在は選手権出場や来年以降へ向けて自分を磨いている毎日だ。先を行く同世代のライバルたちにも負けない力を選手権で示して、松本から日本を代表する選手になる。

(取材・文 吉田太郎)
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